菅野さんは「自社ブランドの成長」を今後の課題に挙げる。同社は、自社ブランド「ニシキヤキッチン」の直営店を宮城県に4軒、東京・自由が丘に1軒展開している。
ブランド認知の低さが課題と言いつつ、コロナ禍で自社ブランドの売り上げは20年と比較して1.2倍に伸長。人気商品のレモンクリームチキンカレーは21年度に20万パック売り上げた。製造委託で培った開発力を生かし、他社にない商品を多数展開する。商品のユニークさが話題を呼び、リピーターが付く好循環につながっているのだ。
「にしき食品自体の知名度はあがってきたものの、ニシキヤキッチンの認知度はまだまだ低いです。オンラインでの注文もありがたいことに増えていますが、実際に手に取って見てみたいというお客様のためにも卸先の開拓やSNSを活用した認知拡大に力を入れていきます」(菅野さん)
今でこそ「にしき食品」の知名度は業界に広く知れ渡っている。しかし、レトルト事業を始めた当初、もちろん実績など全くなかった。そこから、コトコトと事業を温め、多くの人気企業から指名されるまでに成長した。
カレーは種類の多さとアレンジ性の高さから、ブームを繰り返す食べ物の一つだと思う。その分、流行り廃りのスピードも速い。目まぐるしく変化するカレー市場で生き残り続けるヒントは「じっくりコトコト」と事業に向き合うことなのかもしれない。
(画像提供:にしき食品)
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