「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
ランドセルが年々重くなっているらしい。教科書のページ数や副教材が増えたことが大きな原因だという。学校用品を販売するフットマークの調査では、小学1〜3年生の90.5%が「ランドセルが重い」と回答した。また、ランドセルの重さは平均3.97キロで、3キロ以上ある割合は65.8%に上るという結果も出ている。
重量化から腰痛や肩こりなどが引き起こされる「ランドセル症候群」にかかる小学生もいる中、「ランドセルが約90%軽くなる棒」が発明された。今年の11月に誕生し、予約販売を開始したところ、すでに約2000本の問い合わせがあったという。小学生と共同で行った開発は、どのように進んだのか? 悟空のきもち THE LABOの現役大学生 太田旭さんと永野弘樹さんに話を聞いた。
――ランドセルが約90%軽くなる棒は、どういった商品なのでしょうか?
太田: 商品名は「さんぽセル」(3960円)といいます。ランドセルをキャリーバッグのように斜めに倒して持ち運ぶための商品です。2本の棒で普段はランドセルの側面に取り付けておくことができます。
棒を伸ばして、ランドセルに取り付けるだけなので慣れれば1分ほどでキャリーケース化できます。2021年11月に開発し、予約受付をしたところ現時点で約2000本の注文が入っています。発売は1月ですが、これからも注文が増えると期待しています。
――小学生と共同で開発とのことですが、どのような経緯で進んだのでしょうか?
太田: 廃校を運営している知り合いに誘われて、廃校で遊ぶ小学生に会いに行ったのがきっかけです。廃校で遊ぶと言っても教室内に特に面白いものもなく、校庭遊びにも飽きているようでした。
雨の日は外で遊べない、コロナ禍で外出を控えなくてはいけないという状況から、小学生が口々に「Nintendo Switchが欲しい」と言っていました。そこで「お金を稼げば欲しいものが買える。人の悩みごとを解決することがお金になるよ」という話をしたところ、「ランドセルが重い」という小学生目線での悩みごとが飛び出してきました。
小学生と一緒にアイデア出しをして、試作品を制作。その後、彼らにフィードバックをもらいながら改善していき、栃木県日光市の地元工場で製品化しました。8月にスタートしたプロジェクトで約3カ月ほどで形になりました。
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