UltraRedは、8200部隊で培われたサイバー戦争の経験と手法を活用して、企業がサイバー攻撃者から身を守れるようにする自動プログラムである。サイバー攻撃を仕掛けてくる相手よりも、企業側が絶対的に優位に立てるようにすることがコンセプトだ。
筆者は今回この会社に取材する機会を得た。ここまで徹底したサイバーセキュリティのソリューションはあまり聞いたことがなく、正直、目を見張るものがあった。
まず重要なのは、このシステムはすべて遠隔で機能し、企業などのネットワークに侵入したり、何かをインストールしたり、スタッフを置いたりする必要もないことだ。UltraRedは、自動で脅威を検証し、ユーザーである企業などは本当に対応が必要な脅威のみについて知らされる。使えない情報は排除される。
UltraRedは最初に、導入した企業の使っているネットワークの情報を幅広く特定していく。デジタルアセット、つまり、ドメインやサブドメイン、IPアドレスなどすべてを把握し、そこからさらに関連システムも把握してマッピングする。
最近、セキュリティ対策をしていてもサイバー攻撃の被害に遭ってしまう企業は、例えば、三菱電機やカプコン、小島プレスやデンソーなどへのサイバー攻撃がそうだったように、関連会社や海外の拠点などから攻撃を受けるケースが非常に多い。だがこのUltraRedは、そうした少しでも関連性のあるネットワーク環境なども完全に掌握する。
こうした情報をすべて可視化してマッピングする。どことどこがつながっていて、どこが外部から見えているのかなど、企業は外部にいるハッカーの視点から自社のネットワークを丸々把握できるのだ。もちろん、企業が見落としがちなサブドメイン、つまり関連企業や海外拠点のネットワークまで幅広い情報もすべてマッピングに含まれている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング