「外泊すると家賃が下がる」物件は定着するのか 都市部で広がる“つぎの住処”週末に「へえ」な話(1/4 ページ)

» 2022年04月03日 07時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 東京の都市部に住んで、週末は地方でゆるりと――。「そんな生活を送りたいなあ」という人も多いかもしれないが、現実は厳しい。時間に余裕がなければいけないし、周囲の理解も必要になってくるし、仕事のことも考えなければいけないし。そして、なんといっても「お金」の問題が立ちはだかる。

 東京での家賃が15万円で、地方の家が5万円だとして、月20万円ほどかかる。移動費などのことを考えると、「むりむりむり。さ、営業の提案資料でもつくって、給料が下がらないようにがんばるか(涙)」と現実に向き合っている人も多いかもしれないが、ひょっとしたらひょっとしてワンチャンあるかもしれないサービスが登場しているのだ。「Re-rent Residence 渋谷」(以下、リレント)である。

入居者が家に帰らない日は家賃が下がるサービスアパートメント

 東急が2021年5月に受付を始めたところ、「オレも借りたい」「ワタシも興味がある」といった声があって、募集6部屋に対し、初日だけで32件の問い合わせがあった。この物件のキモは、自分の部屋をホテルのように貸し出すことで、家賃が宿泊数に応じて下がることである。

リレントの仕組み

 気になる「お金」の仕組みは、こうなっている。例えば、家賃が19万2000円で、割引額が6000円×15日(外泊日数)とすると、実際の家賃は月10万2000円となるのだ(共益費8000円と水光熱費+WiFi使用料1万5000円/月は別)。

 物件はどこにあるのかというと、渋谷駅から徒歩5分ほどのところ。アクセスはよいが、部屋が狭く、使い勝手が悪いのかもしれない。ワンルームの場合、18〜22平方メートルほどの物件が多いのに対し、リレントの専有面積は34〜37平方メートルほど。ほぼ倍の広さになっていて、各部屋が個性的でユニークである。

 例えば、80インチの大型プロジェクターを設置していて、ホームシアターを楽しめるようになっていたり、机と椅子のほかにミーティング用のテーブルを設置していて、ちょっとしたオフィスとして使えるようになっていたり。キッチンや洗濯機などが設置されているので、もちろんそこで暮らすことができる。一方で、外泊して、他人に部屋を貸したときには、運営スタッフが清掃してくれるので、ホテルに戻ってきたような感覚も味わうことができるのだ。

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