これらの取り組みで最も印象的なのがビジネスホテルだ。
今回の件でにわかにスポットが当たったのが“アメニティーバー”である。アメニティーを客室へ置かずにフロント近くのロビースペースなどにまとめて置き、ゲストにピックアップしてもらうスタイルである。プラスチック新法においてはアメニティー削減という観点から注目されている。
以前より一部のビジネスホテルで見られたその光景から筆者がイメージするのは“コスト削減”である。アメニティーのコストはバカにならない。ホテルを新規に開業する際は、サプライヤーから多種多様なサンプルを取り寄せ、導入するアメニティーを検討するが、1円単位の攻防である。
21年9月に掲載した「ホテル1室のアメニティー、清掃費用は一体いくら? ホテルの気になる“原価”あれこれ」では、プラスチック新法問題へのアプローチとして、アメニティーの原価についてリサーチし取り上げた。
アメニティーのコスト管理は、1室で見ると“大したことはない”かもしれないが、数百室ともなればホテル運営にとって重要なテーマになる。近年競合が激化してきたビジネスホテルにおいてはそのコスト削減はシビアな問題となってきた。
一方、アメニティーに付加価値を付け、ホテルイメージも訴求してきた高価格帯のホテルも、別の側面で悩みが尽きることはない。客室から持ち帰られたアメニティーが個人売買のサイトなどで販売されているのを見て、複雑な気分なったホテル関係者の話もある。
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