さて、ホテルの客室からアメニティーが消える? と大騒ぎになった3月だが、4月に入ったいまの現状はどうだろうか。アメニティーは一斉に消えたのか? あるいは残っているのか?
筆者は、3月16日から本稿を書いた4月6日まで、1日を除き異なるホテルに宿泊を続けていて、アメニティーについても注視してきた。(記事のネタ的には)4月1日を境に何らかの変化を期待したが、宿泊したホテルが独立系や小規模の施設が多いこともあってか、これまでと特段の変化は見られない。すなわち、これまで通りアメニティーはフルセットて提供するホテルばかりだった。
一方、今回の件についてニュースを見ると、高級ホテルや大規模なホテルをはじめ名の知れたホテルの担当者がインタビューに応じるシーンをよく見かけた。これまた前述の“公共性”を感じるホテルが並ぶ。
そこで、有名な高級ホテルなど価格帯の高いいくつかのホテルスタッフに実情を聞いてみた。その結果、法律にある“使用量の削減”を目指し、鋭意対応を進めている最中という声が目立った。
例えば、プラスチック製からバイオマス配合のような、環境に配慮した素材に入れ替えている最中というホテルや、素材の入れ替えと同時にアメニティーの質を高め、「使い捨て」から持ち帰り意識を持ってもらうホテルなど、動きは緩やかという印象だ。
一方、実際に客室へ置かなくなったホテルもあった。提供アメニティーの選別も進み、例えば使用頻度が少ないクシ、シャワーキャップなどは客室から撤去、希望者のみにフロントで渡すというケースも見られた。中にはすでに大量の在庫を抱えており、在庫を消費するまでは対応が難しいと実情を吐露するホテル担当者もいた。
他方、再利用製品の提供をはじめるサプライヤーも登場している。提案されたホテルに聞くと、再利用とはいえ1本当たりのコストは新品と変わらないという。また、「歯ブラシなら梱包をどうするのか」「リサイクルマークを入れるのか」など、検討すべき点は多いと話す。
これはテレビのニュースで見たケースだが、とある宿泊施設では、宿泊プランで“アメニティーを置かない”プランを売り出し、ステンレスボトルをプレゼントしているという。ゲストに好評とのことで、前述したプラスチック新法を逆手に取ったPRも兼ねるプランといえる。
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