社員が望む働き方を実現する施策の一つとして重要な課題といえる「強制転勤の廃止」。社員側・企業側双方メリットがある一方、企業側にデメリットが生じる場合もある。
しかし、結局状況を変えずにいると、優秀な人材の確保・定着の機会を逸してしまう。では、具体的にどのように検討を進めればよいのか、論点と手法をまとめた。
“望まない強制転勤の廃止”の施策を具体的に検討するにあたって、類型を大きく2つに分けて説明する。
(1)一部、強制転勤社員を設ける(区分あり)
(2)原則“強制”転勤なし(区分なし)
旧来からある「地域限定社員制度」のようなイメージが分かりやすいだろう。あらかじめ「転勤しない」「転勤可能」な社員を区分けするものだ。
この制度の企業側の人事管理上の利点は、“転勤したくない”と考える社員のニーズは、「勤務地限定枠」で満たされる上で、「勤務地に制約がなく、転勤が可能な社員が明確」になる点にある。 “転勤してもいい”という社員が一定数いることで、全国の拠点間で人員の需給を調整でき、企業が意図するタイミングで配置しやすい。
基本的に“勤務地別採用・原則強制転勤はなし”とするものである。その際、仮にどこかの拠点で欠員が生じた場合は、以下のいずれかで対応することになる。
「雇用区分あり」に比べると、「遠隔業務対応ができない、現地に出社が求められる職務」のポジションに空きが出た場合、採用活動が思うようにいかない(=求めているスキル・経験の人材が見つからない)、社内募集をかけても集まらないケースもある。そうなると、迅速・円滑な配置という点では一定のリスクはある。
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