変化のきっかけはもちろんコロナ禍。地元で過ごす時間が増えた結果、これまで知らなかった楽しい場所、おいしい店があることを発見した人が増えたのだ。自治体が地元での消費を刺激しようと割引キャンペーンを展開したのも役に立ったようだ。
なぜ恵比寿が4位になったのか。筆者は「自然の少なさがランクを下げたのではないか」と考えた。横浜には港と複数の公園があり、吉祥寺には井の頭公園、大宮には氷川神社がある。恵比寿にも恵比寿神社はあるものの、規模の面では見劣りする。
それに対し、池本氏は「街のハードの多様性という意味では確かに恵比寿は単一。他の街に比べて弱い部分はありますが、恵比寿にはそれを補うソフト面、人の多様性があります。さまざまな国籍の人たちが集まっており、懐の深さを感じます。街の多様性はハード面だけでなく、ソフト面からも考えるべきで、今回は4位でしたが、今後、変化があるかもしれません」
足元に目を向ける傾向は続くかもしれない。一方、「それ以外の、ソフト面での変化を予兆させる」と池本氏が挙げたのは吉祥寺だ。今回は2位だったし、15年まで5年間1位をキープしてきた街だ。
しかし、同調査で吉祥寺に投票した人を年代別に見ると、4割以上が40代となっており、20代からの支持は3割以下。調査は20〜49歳を対象としているため、この先、若い人の支持が増えなければ吉祥寺人気は“じり貧”になっていく可能性が高いというのだ。
同様に今回10位に入っている鎌倉は40代の支持が5割近くで、20代は2割ほど。今年上位にあった街がこれからも上位であり続けるかどうかは分からないのである。
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