筆者のような中立の立場から見ると、ロシアに残るのも撤退するのも、その判断には企業のビジネス利害が大きくかかわり、さまざまな難しい現実があるのは理解できる。もちろん、対ロシアの経済制裁によって、ロシアでの操業が難しくなる側面もあるだろう。
とはいえ、侵攻を受けたウクライナでは、ロシア軍による戦争犯罪も指摘されるような人権蹂躙(じゅうりん)のケースが数多く報告されていて、武力による現状変更はあってはならない。そうした事態にどう反応していくかで、今の時代、民間企業の社会的責任への認識が試される。ビジネスはビジネスという割り切り方では、許されなくなっているのも確かである。国際化がますます進む中で、社会規範や道徳なども企業には求められるようになっているのは間違いない。
つまり、ロシアで起きている戦争を、日本のビジネスパーソンも決して無視はできない。リテラシーを持って現地からの情報を見て、国際社会の状況も追いかけて、的確な決断が求められている。
もちろん、それはロシアに限ったことではい。各地で起きる紛争なども、決して対岸の火事では済まされない。
先に触れたミャンマーも然り、だ。同国で国軍がクーデターした後も、キャンセルカルチャーを促す英国を拠点にするWebサイトが注目されている。そのサイトは、英ゴードン・ブラウン元首相も後援する活動家系サイト「ビルマ・キャンペーン」で、国軍とビジネスを行ってきた企業を糾弾している。
同サイトは国軍との関係が疑われる企業を「ダーティリスト」としてリストアップして、関係を切るよう促している。日本企業もいくつか記載されている。
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