コメダ珈琲は、なぜコロナの悪影響をあまり受けなかったのか?:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(5/5 ページ)
続いて既存店の月次の売上高の推移を見ると、コロナ禍以後はコロナ前の水準と比べて100%を超える時期も多少はあり、大半は90%台で推移となっています。その結果、22年の2月期は累計で98.7%とほぼコロナ前に近い状況です。
既存店の月次売上高推移
オミクロン株拡大の影響が大きかった22年の1月はコロナ前比で97.7%、2月は91.4%という状況ですので、この時期にオミクロンの影響が無ければコロナ前の水準を上回っていた可能性もありそうです。すでに回復が進んでいたことを考えると、経済が正常化していくと売上高がコロナ前の水準に戻るタイミングは早そうですね
しかし売り上げが回復したとしてもコメダHDでも原材料費高騰の影響は受けるでしょうから、その影響による利益面への悪影響がどの程度あるかには注目です。
ということで、改めて全体を振り返ってみるとコメダHDは増収増益となっていました。増店の影響もあり、売り上げはコロナ前を上回る水準で、利益面に関してはコロナ前の水準には届いていないものの、コロナ前に近い水準まで業績は回復しています。
FCメインだったことにより補助金の好影響は受けられていないものの、既存店の売上高は既にコロナ前にかなり近い水準だったことを考えると、今後は業績回復が進むことを予測します。
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