まず、ディズニーチケットの価格の推移を見ていきましょう。
1987年 | 4200円(+300円) |
---|---|
1989年 | 4400円(+200円) |
1992年 | 4800円(+400円) |
1996年 | 5100円(+300円) |
1997年 | 5200円(+100円) |
2001年 | 5500円(+300円) |
2006年 | 5800円(+300円) |
2011年 | 6200円(+400円) |
2014年 | 6400円(+200円) |
2015年 | 6900円(+500円) |
2016年 | 7400円(+500円) |
2019年 | 7500円(+100円) |
2020年 | 8200円(+700円) |
2021年3月 | 最大8700円(+500円) |
2021年10月 | 最大9400円(+700円) |
驚くことに、1983年の開園当初のチケット価格は3900円で、実に今の半額以下でした。この推移から、これまで合計15回の値上げが実施され、近年では1〜2年のスパンで価格が変わっていることが分かります。
では来場者数はどうなっているのでしょうか。来場者数の推移についてみていきましょう。
2009年 | 2581万8000人 |
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2010年 | 2536万6000人 |
2011年 | 2534万7000人 |
2012年 | 2750万3000人 |
2013年 | 3129万8000人 |
2014年 | 3137万7000人 |
2015年 | 3019万1000人 |
2016年 | 3000万4000人 |
2017年 | 3010万人 |
2018年 | 3255万8000人 |
2019年 | 2900万8000人 |
このグラフから分かるように、ディズニーチケットは過去に何度も値上げされてきましたが、来場者数は2018年には過去最多を記録するなど、値上げが集客にマイナスに影響しているということはなさそうです。値上げに「成功」しているといえるでしょう。
それでは、これまでの値上げがもたらした収益インパクトについて考察していきたいと思います。
例えば、前年比で500円の値上げを実施した16年の来場者数は、およそ3000万人です。2年間の来場者数に大きな差はないため、この1回の値上げにより、1年間で約150億円(500円×3000万人)の利益増加につながったことになります。
別の言い方をすると、このタイミングで値上げをしていなかったら150億円の機会損失が生まれていたことになります。つまり、数百円の値上げは数百億円の利益に直結する強力な収益ドライバーになりうるのです。
このように1〜2年のスパンで値上げをすることについては、賛否が分かれると思います。しかし、短いスパンだからこそできる値上げもあるのです。
顧客には、過去の経験などから形成された記憶の中の価格「内的参照価格」が存在しており、支払いを検討する際には、現在支払っている金額が大きく影響します。つまり、従来の価格次第で値上げ可能幅が変わってきます。
仮に、11年、14年、15年に値上げを行わず、16年にまとめて1600円の値上げをしていたら結果は違ったはずです。1〜2年のスパンで価格を見直したからこその成功といえます。
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