理化学研究所と富士通が共同開発したスーパーコンピュータ(スパコン)「富岳(ふがく)」が、計算速度の世界ランキング「TOP500」で世界2位に転落したというニュースが話題だ。富岳はこのランキングで2年にわたり、世界1位だったが、今回米国の新鋭コンピュータにおよそ2.5倍の差をつけられて2位となった。
もっとも“転落”と言っても、技術開発競争の激しいスパコンの世界で2年もトップに輝いてきた実績は大きい。また他の性能評価ではいまだに世界一。その理由は、富岳が単純なベンチマークテスト向上を目的に開発されたスパコンではないからだ。
スパコンの性能評価はいくつもの指標があり、「TOP500」はLINPCKという演算ライブラリ(方程式を解くための関数の集まりのようなもの)を用いた計算速度の評価だ。LINPACKとは異なる方法で一次方程式の性能を評価する「HPCG」や、ビッグデータの分析処理能力の指標となる「Graph500」では現在も富岳が首位をキープしている。
国家レベルで開発競争が展開されているスパコンの中で、富岳が競争力を維持できているのは、より応用的あるいは実践的な指標において優れているからで、実は「2位でもスゴイんです」と強調しておきたいが、このニュースに伴って振り返るべき言葉がある。
2009年、国会の公開事業仕分けで民主党(当時)の蓮舫参院議員が発した「2位じゃダメなんでしょうか?」という有名な言葉だ。
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