STEPNは仮想通貨でシューズのNFTを購入し、歩いたり走ったりしてゲーム内トークンを獲得するゲームで、2021年12月にリリースされた。参加するにはシューズ購入が必須で、5月だと日本円にして1足15万円以上した。靴を増やすほど獲得できるトークンも増えるため、筆者の知人にも既に200万以上投資している人が複数いる。
運営は「健康になるためのゲーム」の姿勢を崩していないが、5月下旬までは平均して2カ月ほど、早ければ1週間で原資が回収できたことから、ユーザーの多くが「不労所得を獲得するゲーム」と捉えているのが実情だ(STEPNの詳細なビジネススキームについては、既に多くの記事があるため、そちらを参照してほしい)。
靴やトークンが値上がりを続けバブル化していた5月27日、運営は「中国本土のユーザーを7月15日以降排除する」方針を発表した。最近の相場上昇を支えて来た中国ユーザーがごっそり抜けると考えた人々が靴を投げ売り、相場は一夜にして暴落。その後もトークンと靴の価格は低迷し、STEPNはリリース以来最大の試練にある。
- ビットコインは目の上のたんこぶ、人民銀幹部「暗号資産は投資商品」発言の真意
人民銀の幹部が4月18日デジタル資産について「投資商品」との見解を示した。仮想通貨交換所・コインベースの米国上場、ビットコインの値上がりも重なり、中国でも仮想通貨“解禁”への期待が高まっている。しかし仮想通貨取引・利用を全面禁止している中国政府が、デジタル人民元以外のデジタル通貨を許容することは当面なさそうだ
- 中国テンセント、51%減益でも「ゲーム規制」及ばぬ海外投資に勝機
中国IT大手のテンセント(騰訊)が5月18日、2022年1-3月期の決算を発表した。純利益は234億元(約4500億円)で、国際会計基準での最終減益は10四半期ぶり。中国政府の各種規制が収益を圧迫し、新型コロナウイルスの再流行が追い打ちをかけた。しかしゲーム事業には好転の兆しが見える。
- Clubhouseに関わるAgoraとZoom、2人の中国系創業者の意外な接点
ブームは一段落したが、現在も順調にユーザー数を伸ばす音声SNS「Clubhouse」。当初は、海外SNSを制限する中国でもアクセスできたため、関係者が試し、論評し、模倣する結果となっている。またアプリの音声技術を提供する中国企業「Agora(声網)」と、Zoomの創業者の意外な接点も見えてきた。
- 中国は空前の猫ブーム。中国ネコノミクスが生んだ、利回り10%の「エア猫投資詐欺」
猫による経済効果は、日本では2016年に2兆円超との試算があったが、中国は空前の猫ブームで、日本よりはるかに大きな中国版ネコノミクスが形成されている。猫SNSや猫ゲーム、デジタルコンテンツ市場に加え、今年8月には大規模な「エア猫投資詐欺」が発生。今回は、この投資詐欺の全貌と背景をお伝えしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.