「歩いて稼げる」STEPN、崩壊論高まる 大物投資家のSNSが中国封鎖引き金か浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(2/7 ページ)

» 2022年06月09日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

「歩くだけで1日50万円」のバブル崩壊

 STEPNは仮想通貨でシューズのNFTを購入し、歩いたり走ったりしてゲーム内トークンを獲得するゲームで、2021年12月にリリースされた。参加するにはシューズ購入が必須で、5月だと日本円にして1足15万円以上した。靴を増やすほど獲得できるトークンも増えるため、筆者の知人にも既に200万以上投資している人が複数いる。

 運営は「健康になるためのゲーム」の姿勢を崩していないが、5月下旬までは平均して2カ月ほど、早ければ1週間で原資が回収できたことから、ユーザーの多くが「不労所得を獲得するゲーム」と捉えているのが実情だ(STEPNの詳細なビジネススキームについては、既に多くの記事があるため、そちらを参照してほしい)。

 靴やトークンが値上がりを続けバブル化していた5月27日、運営は「中国本土のユーザーを7月15日以降排除する」方針を発表した。最近の相場上昇を支えて来た中国ユーザーがごっそり抜けると考えた人々が靴を投げ売り、相場は一夜にして暴落。その後もトークンと靴の価格は低迷し、STEPNはリリース以来最大の試練にある。

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