運営が5月27日に「中国本土ユーザーのブロック」を発表したのは、ある著名人のSNS投稿がきっかけと思われる。
5月21日、ベンチャーキャピタルの代表で、配車サービスの滴滴出行(DiDi)、アリババのフードデリバリー餓了麼(ele.me)など大型スタートアップの資金調達にも関わった著名投資家の朱嘯虎氏がSNSに
「初めて1日目で30ドル(約4000円)稼いだ。靴を買ったお金は3カ月で回収できるようだ。STEPNの経済モデルは優れている。ポンジ・スキームかもしれないが、体験する価値はある」
「ジムに会費を払って全然運動しないよりはいいのではないか」
と投稿した。
日本でいえば「ZOZO」創業者の前澤勇作氏が投稿するようなものだろうか(ちょっと違う気もするがほかに思いつかない)。朱氏の投稿によってSTEPNを検索する人が増え、同時にテック系メディアだけでなく、経済メディアや共産党メディアもSTEPNに注目しだした。
朱氏は中国で名を知られた投資家、経営者だ(出典:中国企業家網)
- ビットコインは目の上のたんこぶ、人民銀幹部「暗号資産は投資商品」発言の真意
人民銀の幹部が4月18日デジタル資産について「投資商品」との見解を示した。仮想通貨交換所・コインベースの米国上場、ビットコインの値上がりも重なり、中国でも仮想通貨“解禁”への期待が高まっている。しかし仮想通貨取引・利用を全面禁止している中国政府が、デジタル人民元以外のデジタル通貨を許容することは当面なさそうだ
- 中国テンセント、51%減益でも「ゲーム規制」及ばぬ海外投資に勝機
中国IT大手のテンセント(騰訊)が5月18日、2022年1-3月期の決算を発表した。純利益は234億元(約4500億円)で、国際会計基準での最終減益は10四半期ぶり。中国政府の各種規制が収益を圧迫し、新型コロナウイルスの再流行が追い打ちをかけた。しかしゲーム事業には好転の兆しが見える。
- Clubhouseに関わるAgoraとZoom、2人の中国系創業者の意外な接点
ブームは一段落したが、現在も順調にユーザー数を伸ばす音声SNS「Clubhouse」。当初は、海外SNSを制限する中国でもアクセスできたため、関係者が試し、論評し、模倣する結果となっている。またアプリの音声技術を提供する中国企業「Agora(声網)」と、Zoomの創業者の意外な接点も見えてきた。
- 中国は空前の猫ブーム。中国ネコノミクスが生んだ、利回り10%の「エア猫投資詐欺」
猫による経済効果は、日本では2016年に2兆円超との試算があったが、中国は空前の猫ブームで、日本よりはるかに大きな中国版ネコノミクスが形成されている。猫SNSや猫ゲーム、デジタルコンテンツ市場に加え、今年8月には大規模な「エア猫投資詐欺」が発生。今回は、この投資詐欺の全貌と背景をお伝えしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.