NOROSIへ参加するには、公式ページから行う。まずプロフィール、スキル、プロジェクト(アイデア)を登録する。事務局側は、そのアイデアが他サービスと異なる点の確認、抜け漏れのチェックといったブラッシュアップ案の提供など“壁打ち”を行う。こうして事務局からの承認を受け、初めて掲載の許可が下りNOROSIに参加できる。
エントリー後、チャレンジャーは仲間集めや資金集めに欠かせないピッチに参加する権利を獲得する。ピッチは(1)予約不要で当日飛び込み可能で、人前で話す練習にもなる「だれでもHIDANEピッチ」、(2)支援者を正式に募る「FUI5ピッチ」(フイゴピッチ)、(3)加盟自治体や起業からの協賛により、一定の基準を満たしたチャレンジャーのみが参加できる「NOROSIピッチ(同時開催リバースピッチ)」の3種類がある。
また、コンテストで入賞すれば、FUI5ピッチでは賞金として5万円、NOROSIピッチではスポンサーからの賞金のほか、各種支援も受けられる。5万円は、トリブンの購入金をプールしておいたアドリブワークスから支払われる。この金額は「生活資金から拠出するのは厳しいが、アイデアを形にして試すところまで進められる金額」(山岡氏)ということで設定されたものだ。
NOROSIピッチで自治体や企業からの支援・連携を獲得したあとはビジネスを加速させ法人化を目指す。そこで、NOROSIの役割は終了し、チャレンジャーは次のステージへと進むことになる。
現在募集しているアイデアのジャンル(コミュニティーテーマ)は10種類。各自治体や各企業は、その中から一つのテーマを選んでフォローする。フォローしているテーマに沿ったアイデアがあれば、それを出したチャレンジャーを応援できるようになるからだ。逆に、チャレンジャー側が好みの自治体または起業のフォローしているテーマでアイデアを出すことで生まれる出会いも想定した設計となっている。
起業について相談を受けた地方自治体が、受け皿としてtrivenを使うこともできる。起業アイデアをtriven内でブラッシュアップし、triven側から地方自治体にフィードバック。優れたスタートアップを、ピッチコンテストで選出して各自治体や起業に戻し、事業化する。
加盟自治体や企業は、出てきたアイデアに対して自分たちでケアする必要がなく、事業化するまでに成長したプロジェクトを引き取れる仕組みとなっている。
自治体や企業から生まれたアイデアをtrivenで成長させ、アイデアの成長度合いをフィードバックする。これがスタートアップ“ハブ”と呼ぶゆえんだ。
2021年8月〜12月末まで、神戸市と渋谷区は実証実験として参加。神戸市新産業部新産業課の西川嘉紀氏は「これまでもスタートアップを支援してきたが、出てきたことのないようなアイデアと出会える豊作の年となった」と振り返る。
渋谷区グローバル拠点都市推進室の中屋力氏は「新しいアイデアを出してもらえ、刺激を受けられた。全国の自治体が参加することで、渋谷区からは生まれてこないアイデアに出会えることを楽しみにしている」と話す。
山岡氏は「共感するサポーターが増えると、チャレンジしたいと考える人がそこから生まれ、プロジェクトが増える。するとトリブンが動き、ピッチの賞金となるプール資金が増える。それにより、成功事例が生まれ、さらにサポーターが増えるという成長循環を期待している」と説明する。
「オープンイノベーションという言葉だけが独り歩きしているが、地域や企業などの組織に閉ざされているのが現状だ。ハブとしてのNOROSIに参画してもらえれば、他地方、他企業で出てきたアイデアやチャレンジャーと出会う機会が生まれる。チャレンジャーにとっては、共感者を得やすい仕組みなので、ライトに起業を目指せる。創業しやすい環境を、世界を作っていきたい」(山岡氏)
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