金子: カゴの中に多く荷物を載せるとフラフラしてしまったり、そもそもカゴに入りきらなかったりします。また、ひったくりに遭う可能性もありますよね。
その解決策として「カゴを大きくしようか」とか、「ふらつきを抑えるためにフレームにカゴを溶接し、ハンドルとの関連性をなくそうか」といったアイデアが出ましたが、実用的な方向に振っていくと見た目がかっこよくないですし、そのような自転車に乗りたくないのではという意見もありました。
荷物を載せる場合はカゴを使うのが当たり前ですが、そもそもカゴがあるとかっこ悪い。カゴ以外の方法で荷物を載せるにはどうしたらいいのかと考え、発見したのがフレームをバスケット状にするトートバイクの技術でした。
――トートバイクの開発はどのように進んだのでしょうか?
金子: まずは耐久性と安全性は真っ先に確認しました。サンプルを作って振動試験をクリアできるか、バスケット容量を確保しつつも足に干渉しないデザインにこだわりました。ペダルを漕ぐ姿勢を考え、バスケットの前を広く後ろを細くすることで、足がフレームにぶつかりにくい設計としました。
また、自転車としての基本機能も大事にしています。タイヤが小さい自転車なので、前のギアを少し大きくしないと、前に進めない自転車になります。逆にギアを大きくしすぎるとバスケットの幅を広げられません。ですのでそこは細かく調整しました。一般的な自転車よりも作り込みの期間が長かった分、製品化まで1年ほどかかりました。
トートバイクの主な利用者は20代の女性をイメージしています。カラーもちょっとおしゃれなマットベージュと、マットグレーの2色を採用しました。
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