「SNSで話題のあの商品はどうやって開発したの?」「なぜこの会社はこんな取り組みを進めているの?」ちょっと気になっていた企業の“なぜ”をコンパクトに紹介します。
サービスや製品に込めた思いや苦労話など、担当者にしか分からない「裏側」を徹底取材。仕事が忙しくて、じっくりと情報を得ることができない人でも読めるよう、できるだけ簡潔にまとめています。テレワーク中の息抜きや移動時間、就寝前に「3分インタビュー」でサクッと情報収集!
AOKIが3月に発売した「パジャマシューズ」が好調だ。在宅勤務に適したウェアとして発売した「パジャマスーツ」は同社を代表するヒット商品となったが、今回は靴(シューズ)の話である。商品名からも分かるようにパジャマスーツの関連アイテムとして発売した商品で、発売時点の反響は「パジャマスーツを超える勢い」(同社)なのだとか(関連記事)
発売から約1カ月間の売上数は、2021年に発売した「HOME&WORK シリーズ」のシューズと比較して、前年比で約1.5倍。4月には、反響の大きさから追加生産を決定した。
スニーカーのような履き心地とスーツに合わせやすいデザインを採用し、価格も7689円と手に取りやすい価格に設定している点も特徴だ。ビジネスシーンでも着用しやすい「軽量ドレススニーカー」と、カジュアルシーンに適した「軽量スニーカー」の2種類を用意している。
基となるパジャマスーツは、パジャマの「リラックス感」とスーツの「きちんと感」を兼ね備えた商品として20年11月に発売。さまざまなシーンに着用できる“唯一無二の商品”として支持され、累計販売着数は10万着を超える。
スーツと違って、履き心地や見た目にこだわったビジネスシューズは靴専門店でも購入できるはずだ。これまでの靴と何が違うのか。AOKIの取締役兼商品副本部長、水谷修さんに話を聞いた。
――パジャマシューズを開発した背景を教えてください。
水谷: 東日本大震災以降、ビジネスシューズにも大きな変化がありました。震災直後、帰宅が困難になったり交通の便が一時的に混乱したりと、今まで以上に歩く経験を余儀なくされました。それ以降、従来ビジネスシューズといわれていた革底(レザーソール)シューズの売り上げが鈍くなり、ラバーソールやスポンジソールなどが主流になり始めました。
その後、服装の自由化も相まって、ビジネスシーンでもよりカジュアルな服装を着用する人が増え、従来のビジネスシューズが合わせづらいといった声が聞かれるようになりました。その需要に対応するため、当社でもスニーカーの履き心地をイメージしたビジネスシューズを展開していましたが、残念ながらそこまでご好評いただけませんでした。
そのような時代が2年ほど続き、なぜ支持されないのかとヒアリングを進めた結果、「通常のビジネスシューズと同等の価格では難しいのでは?」との声が出てきました。各ブランドのスニーカーが1万円を切る価格で販売されている中、いくらビジネス顔でも1万円を超える商品は支持されないのではということです。
そんな中、当社のパジャマスーツが支持されるようになり、お客さまから一緒に着用できる商品を求める声があがりはじめました。そこで、以前からあたためていた企画をパジャマスーツの関連アイテム「パジャマシューズ」として展開する決断をしました。
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