海外旅行のガイドブックといえば? このように聞かれて、40〜50代の多くは『地球の歩き方』を挙げるのではないだろうか。表紙の黄色が目印になっていて、その国の名所などがイラストで描かれている。
海外に行くと、黄色のガイドブックを持ってウロウロしている人を見るだけで、「ははーん、この人は日本から来た人だな」と思うこともしばしば。現地のカフェが紹介されているので、そこに足を運んでみると、日本人らしき人がたくさんいたこともあったっけ。
海外旅行をする人にとって、それほど“強い味方”であるといえるわけだが、長い歴史の中で国内版は出さなかった。米国、英国、フランス、イタリアなどの本が並ぶ中で、2020年に『東京』を出したところ、編集部がザワつくほどの大ヒット。22年5月末時点で9万部を超えていて、二匹目のドジョウを狙うような形で、3月に『東京多摩地域』(以下、多摩)を出したところ、これまた大ヒット。初速は『東京』の3倍ペースで売れていて、現在4万部を超えている。
『多摩』はタイトルの通り、多摩エリアをフォーカスしたガイドブックである。高尾山や奥多摩など、地域を代表する自然のことだけではなく、30市町村の見どころを収録しているのが特徴だ。個人的に気になったのは、福生市のページである。在日アメリカ軍横田基地があることもあって、“日本で一番アメリカらしい商店街がある”などと紹介している。
アンティーク雑貨を扱っている「BIG MAMA」では、オーナー自らが現地で買い付けているので、多摩にいながら米国の土産を買うことができる。また「The MINT MOTEL」では、米国から直輸入したマシーンでワッフルなどをつくっていて、支払いはドルでも可能なことにびっくり。多摩にいながら米国の気分を味合うことができ、本を読みながら多摩を歩いている気分にさせてくれるのだ。
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