27〜29階は一般執務エリア。オフィスは、集中スペースから交流エリアに至るまで段階に応じて、「フォーカス」「セミフォーカス」「ソロワーク」「コワーキング」と30階の「ソーシャライズ」の5つのワークモードを用意。それぞれのワークスペースに応じた家具を設置している。
例えば、モニターアーム付きの上下昇降デスク、天板の傾斜角度を任意に調節できるデスク、前後左右に座面が動くオフィスチェアなど。オフィス全体で全従業員の約75%の席を用意している。
特徴的なのが、各フロアにつながる移動する階段だ。一般的なオフィスの場合、フロアの端にあったり、共用部に出たりする必要がある。同社のオフィスでは、設置場所を執務室内に設けている他、フロアごとにその場所を分散させている。そうすることで、下に降りるにはフロアを縦断する必要があり、部員同士のコミュニケーションを促す狙いがあるという。
また、社員同士のコミュニケーションを促進する仕組みとして、リフレッシュエリアを用意。各フロアに3カ所ずつ設置し、エリアごとに用意しているドリンクをあえて変えている。人事部課長の前場雄一氏によると、社員が別のフロアに移動するよう促す狙いがあるという。
このほか、29階にはライブラリ、27階には従業員の困りごとをサポートするSISデスク(コンシェルジュデスク)を配置した。SISデスクは前場氏いわく「大学の相談窓口のようなイメージ」だ。備品の管理・貸し出しはもちろん、「イベントを開催するにはどうしたらいいのか」といった相談などにも対応する。全従業員の情報を少しずつ蓄積し、すでにイベント開催の経験がある従業員を紹介するといったサービスも想定している。
また、授乳・おむつ替えができる「Mother's room」や、瞑想や宗教上のお祈りをする「Prayer's room」も完備している。同社では、育児休暇から復職する前に本社で面談を行うケースがある。その際、子供と同伴出社してきた従業員が「Mother's room」を活用しているという。
赤ちゃんがいるとママは定期的に胸が張ってきて搾乳をする必要がある。以前は駅のトイレなどで行っていた社員が多かった。しかし、「Mother's room」ができたことで、「ここで搾乳ができる」とママ社員に好評だという。筆者は、こうした個室は日本の企業は導入が遅れているので、非常に先駆的だと感じた。
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