混雑のピーク時間と、人気の部屋の種類にも変化があった。
今まで最も混雑していた時間は午後5〜10時頃。また、深夜に終電を逃した人が朝まで時間を過ごすという需要も多かった。そのため、机の前にリクライニングチェアなどの椅子を配置した部屋よりは、マットが敷かれた床に靴を脱いで上がる「フラットシート」の部屋の方が人気だった。
しかし、今では昼の時間の方が混雑する。実際に、取材を実施した赤坂見附店(東京都港区)でも、取材日(平日)の12時すぎには90%ほど座席が埋まっている状況だった。部屋は、机の前に椅子があるタイプから埋まっていく。
こうした需要を後押しする設備投資も行ってきた。現在快活CLUBでは、天井部分が空いていない鍵付き完全個室を増やしており、Web会議をするテレワーク利用客に人気だ。
鍵付き完全個室は、個別に空調や照明を用意し、オートロックの鍵を備えている関係で、従来の天井部分に空きがあるブースと比べて約6倍ものイニシャルコストが必要となる。しかし、利用料金は通常ブースの約1.2倍に抑えて提供している。
こうした他社の追随を許さない設備投資も強みとなり、テレワーク利用客は徐々に増えていった。なお、鍵付き完全個室はWeb会議をするテレワーク客だけでなく、女性客からも「安心して過ごせる」と人気があるという。
テレワークの利用客が増えるにつれて、“思わぬ要望”を受ける機会も増えた。アンケートでお客に「どうすればより使いやすい店舗になるか」と改善点を募集したところ、複数の改善案が寄せられた。そのうち、多かった声の一つが「PCが邪魔」というものだった。
テレワークで利用するビジネスマンはほとんど全員が仕事用のノートPCを持ち込んでいる。むしろ、そのPCでないと仕事ができないという人がほとんどだ。そこで、都心店舗を中心にディスプレイのみ設置し、PCを置かない席を用意したところ、好調に利用されているという。
「席にPCがあるのは、インターネットカフェの常識で、当然のことでした。しかし、その重要性が薄れてきています」(中川さん)
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