また、ワークマンも同様に、従来はブルーワーカーの男性に向けた専門ブランドだった。しかし、近年では客層を広げて、女性をターゲットにした「ワークマン女子」や、アウトドア・スポーツ用品に注力した「ワークマンプラス」など、新しいブランドを立ち上げて客層を広げている。
ワークマンは、21年から東京ガールズコレクションに出て、土屋アンナさんをはじめとするモデルを起用し、ランウェイで製品を紹介している。中川さんは「これまでの常識にとらわれていたらできないことです。そういうところを、われわれも学びたいと思っています」と話す。
市場を広げようとすると、新たな競合も現れる。快活CLUBが進めるテレワーク需要では、シェアオフィスや、駅の中のシェアスペースなどが競合となる。
中川さんは「渋谷・赤坂・六本木・神田などの都心にはシェアオフィスは多いですが、テレワークをするなら家の近くが良いと考える人も多いです。このニーズに関しては、われわれにメリットがあると思います。もちろん、“仕事に行く”というブランドイメージがないのはハンデですが、例えば家でWeb会議が難しいからその間だけ最寄りの快活CLUBで仕事をするといった利用方法が増えていってほしいです」と意気込む。
ネットカフェ業界トップの座に甘えず、鍵付き完全個室の整備や、PCなし席の用意、レシートの工夫などさまざまな手立てを講じて利用者を取り込んできた快活CLUB。今後は、利用用途の拡大に向けて、SNSでの利用シーンのシェアなどを活用し、従来のネットカフェのイメージから脱却することに努めていくという。
確かに、現在のイメージだと仕事中に「快活CLUBにいます」「ネットカフェにいます」とは言いづらいように思われる。
しかし、ユニクロやワークマンが成し遂げたように、ブランドのイメージは企業努力の積み重ねで着実に変わっていく。
3年後、5年後には上司や取引先に「今どこ?」と聞かれて「快活CLUBです!」と答えても違和感のない世の中になっているかもしれない。
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