ITツールの比較サイトを運営するSheepDog(東京都品川区)が15〜29歳の男女300人に行った調査では、10代の4人に1人が「FAXを知らない」と回答。全体の65%が「FAXを使ったことがない」と回答するなど、若年層での認知度が低いことが分かった。
若年層では“過去の産物”のようなFAXだが、世帯普及率は意外と高い。総務省が5月に発表した「通信利用動向調査」によると、FAXの普及率は31.3%。「Nintendo Switch」(任天堂)や「Playstation 5」(SIE)などの「家庭用テレビゲーム機」(31.7%)とほぼ同じ普及率を誇るという。
企業でも未だに現役で利用されているケースが多い。情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)が21年7月に、47都道府県の会社員約4000人(20〜69歳)にFAXの利用状況を調査したところ、約半数に当たる49.7%が「勤務先でFAXを使用している」と回答した。
FAX使用者(1000人)を対象にさらに調査すると、送受信頻度では送信が「1日2回以上」(35.6%)、受信が「1日2回以上」(41.8%)でそれぞれ最多だった。送受信する原稿では「報告・連絡書」(62.4%)、「受発注書」(50.3%)の順に比率が高かった。
業種別でみても報告書、連絡書、受発注書が約50〜70%を占めており、CIAJは「これらの送受信データは、FAXが日常の業務やワークフローとして深く浸透していると考える。産業機械や不動産業では、図面データにも広く活用されている」としている。
企業の環境対策が叫ばれる中、FAXの廃止は、業務効率を上げるだけでなく、紙の使用量削減にもつながる。官公庁だけでなく、各社の今後の取り組みにも注目が集まりそうだ。
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