アート作品「時間を買える貯金箱」が話題 ダイソー時計と“ラズパイ”を活用 制作者の思いを聞いた「時は金なり」を立体化したら?(1/4 ページ)

» 2022年06月23日 06時30分 公開
[樋口隆充ITmedia]

 「納期間近で今日も残業だ」「月末なのにノルマ未達、ヤバい」──。日々奮闘するビジネスパーソンのよくある光景だ。「1日24時間では足りない」「あと数時間だけでいいから、時間を戻せないか」。そんなビジネスパーソンの願いを具現化した立体アートを、現役エンジニアが制作したとしてTwitterで話題になっている。作品に込めた思いなどを制作者に聞いた。

photo 深夜まで残業するビジネスパーソンのイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 「時間を金で買う行為を立体化しました」──。制作者のBBコリーさん(@BitBlt_Korry)は6月19日、こんな一文とともに、作品の紹介動画を自身の公式Twitterアカウントに投稿した。大きな反響があり、記事執筆時点(6月22日午後9時30分時点)で約3万7500リツイート、18万5000いいねを記録している。

photo BBコリーさんが制作した作品(BBコリーさん提供)

ダイソーの置き時計と“ラズパイ”で作ったアート作品

 静岡県在住のBBコリーさんが制作したのは、「1分=1円」で、投入した硬貨(1〜500円玉の計6種)の金額に応じて秒針が高速回転し、時間を戻すという作品。100円ショップ「ダイソー」で購入した置き時計をベースに、3Dプリンターによく使われる「ステッピングモーター」やスイッチサイエンス(東京都新宿区)が販売するマイコンボード「Raspberry Pi Pico」(ラズパイ)、ECサイト「Amazon.co.jp」で購入した「コインセレクター」を組み合わせた。

photo 作品の主な構成(BBコリーさん提供)

 その仕組みはこうだ。コインセレクターが投入した硬貨の厚みやサイズを識別した上で、その情報をラズパイで構成する回路基板が受信。プログラミング設定に応じて「100円=100分」などのように、基盤側が必要な秒針の回転数を計測する。必要な回転数を秒針と接続したモーターに伝達し、秒針を回転させるという仕組みだ。

photo 「Raspberry Pi Pico」
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