前出のニュースレターを読むと、景品表示法違反「おとり広告」の要点である「販売できない状態なのに、なぜ広告・宣伝を止めなかったのか」に関する記述がないのは気になるところだ。
消費者庁は、キャンペーン商品を諸事情で販売できなかったことではなくて、販売していないのに宣伝し続けたことを問題にしているのだ。その点が正確に把握されていないのではないかと思えてしまう。
極端なことをいうと、キャンペーン商品の仕入の需要予測が外れまくってもいい。そして、大々的にテレビやネットで宣伝するから、需要予測が外れて商品を切らすと、来店した顧客の中には詐欺的に感じられる人も大量に出てしまう。
また、店頭でかにを「設備故障により販売していない」と告知をしていたからといって、かにの宣伝を継続していた事実があれば、不当表示が免責されるわけではない。法律は、本当は売りたかったけど売れなかったという、店舗側の気持ちを問題にしてはいないのだ。
日本広告業協会は、「放送局には各局でキャンセルの規定が決められている。通常、タレントの不祥事でCMをキャンセルする場合は、代わりにACジャパンの広告が流される」としている。
スシローも販売の取り止めを決定した時点で、キャンセル料をTV局に支払えば、広告を止められたはずだ。スシローのような大量出稿するクライアントに対しては、テレビ局も条件を緩めてくれるケースもあるそうで、個別の交渉次第だ。
自社公式サイトでの宣伝は、代理店に事情を伝えるだけで、もっと簡単に止められた。
しばしば外れるキャンペーン商品の需要予測に合わせて、キャンセル料も織り込んだ販管費予算の策定が必要ではないだろうか。
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