パナソニック、「15兆円」のスポーツ市場で目指すビジネスモデル知らないと損?業界最前線(4/5 ページ)

» 2022年06月28日 07時00分 公開

松下時代から伝統のスタジアム照明もLED化

 さらにスポーツ関連で力を入れているのが、アリーナの照明・音響システムの総合演出だ。

 例えば、埼玉県所沢市のベルーナドームは17年よりボールパーク化に向けた改修を実施。その中でパナソニックは、大型のメインビジョンのほか、508台のフィールド照明や40台の空間照明などを導入し、ビジョンや音響などを組み合わせた総合演出を実現している。

プレイする選手が眩しくなく、4K・8K放送にも対応する独自開発のLED照明が開発・納入されている

 さらに21年3月に完成したベルーナドーム(完成当時はメットライフドーム)は、球場と周辺施設が一体化したエンターテインメント空間に生まれ変わっている。

 また、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場も、伝統のスタジアム照明である銀傘を22年3月に全面LEDへと改修している。この際もEW社のライティング技術により、これまで通りのカクテル光線を再現。それでいて大幅な省電力化やCO2の60%を削減している。

甲子園のカクテル光線は、1956年からのもの。このオレンジ色が混ざった光を、2種類のLEDで実現

 野球以外では、クロススポーツマーケティングが運営する青森県八戸市駅前の多目的アリーナ「FLAT HACHINOHE」の照明や音響システムをEW社が手がけている。

 プロアイスホッケーの試合やフィギュアスケート、プロバスケットボールの試合や大会が開催されるほか、行政の借り上げによる学校利用も行われる施設だが、用途に合った照明や音響を簡単に切り替えられるシステムが用意されている。

「FLAT HACHINOHE」には、アイスホッケーやバスケットボールなどの目的に応じて、照明や音響を手軽に切り替えられるシステム導入。プロの試合での派手な演出にも対応する

 競技や環境にあった照明器具をオリジナルで設計し、運用システムまでまとめて提案できるパナソニック。これまでさまざまな照明を手がけてきた蓄積と実績があるからこそできることだ。

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