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“パナの特許”と“世界ブランド”でイノベーション 2万円トースター誕生の裏側家電メーカー進化論(1/7 ページ)

» 2021年08月27日 07時00分 公開

 特許技術による高性能ヒーターに、レトロ感あふれるデザインを組み合わせた「アラジン」ブランドのオーブントースター。このトースターを手掛け、注目を集めた家電メーカーが兵庫県加西市に拠点を置く千石だ。旧三洋電機の下請け工場として、プレス加工業で創業し、現在は国内大手メーカーの家電製品や住宅設備の製造を数多く手掛けている。

 2000年代に加速した家電メーカー再編により譲り受けた老舗ブランドの技術を、自社技術と組み合わせたところヒットが生まれた。そして自社ブランドの家電製品で活路を見いだし、現在は企画、開発、製造、販売まで一貫して行うメーカーになった。

 現在はオーブントースターだけでなく、独自構造のホットプレート、さらにカセットガスを使うガス機器、ランタン型スピーカーなどのデジタルガジェットまで守備範囲は広がっている。

 下請け工場だった千石がどういう経緯を経て家電メーカーとなり、この先をどう描いているのか。専務取締役の千石滋之氏に話を聞いた。

株式会社千石 専務取締役の千石滋之氏。社長である千石唯司氏の次男で主に経営サイドを担当する
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