昨年上半期の順位を見ると、麦芽飲料、プロテイン粉末と健康系が1〜2位で、3位に漫画・アニメのヒット関連商品が好調だった玩具メーカー菓子が入っている。
4位以降も血圧計やヘアートリートメント、テーピングなどのセルフケア需要のものがランクインし、家の中での生活を充実させるものが多かった。
しかし今年はそのトレンドが一変。「人が外に出ることで売れるもの」が上位に顔を出し始めた。その代表格が4位の「口紅」で、前年比139%まで回復。コロナ禍で外出をしないため化粧もしない、マスクが必須となり口紅をしないという二重苦で売り上げは大きく落ち込んだ。
14位「ほほべに」も、コロナへの生活者の意識が変化し外出機会が増えると、今年は大幅に売り上げを伸ばした。5月20日からマスクの規制が緩和され、さらに伸びることも期待される。
また同じく外出機会増加により、乗り物の酔い止めが含まれる3位「鎮暈剤(ちんうんざい)」が152%と大幅に増加。特に大型連休や長距離旅行の際に売れ、コロナ前の8割まで市場規模も復活した。地方自治体などの旅行支援施策もある中、さらなる伸びも期待される。
外出に関連し10位の「日焼け・日焼け止め」や12位の「スポーツドリンク」も昨年より2割近く増えた。
今年、販売に苦戦したランキングの1位は殺菌消毒剤(前年比75%)だった。備え付けが多くなり、持ち運んでいる人が少なくなっていることが影響したようだ。
2位の「しわ取り剤」(同84%)は衣服用で、ウイルス除去などを訴求したものが昨年は売れた。だが、まだ完全に外出が戻っていないこともあり、販売は伸びなかった。
3位の「体温計」(同85%)は昨年よりは減ったものの、コロナ前に比べると169%と伸びている。
インテージは、「コロナ禍という情勢も大きく変わる中での人々の行動の変化と、何が売れるのかということに深い関係があることが分かる結果となった」とコメントした。
SRI+(全国小売店パネル調査)はスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データ。
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