猛暑続きによる冷房使用増加などで電力需給が全国的に逼迫(ひっぱく)する中、ウェザーニューズは6月29日、天気情報アプリ「ウェザーニュース」(iOS/Android、無料)で「電力需給予報」を緊急公開した。独自開発のAIが電力需要を予測し、各エリアの電力逼迫度合いを時系列で確認できるようにしている。電力需給が厳しい時間帯を可視化することで、企業や家庭の節電につなげる狙いがある。
「ウェザーニュース」アプリに加え、ウェザーニュース公式Webサイトで利用可能。ユーザーが居住地から各電力エリアを選択し、電力需給状況を表示する。
同社は国内10電力エリア毎に最適化した、電力需要予測特化のAIモデルを独自に開発。同社が6月に設立した「エナジーフォーキャストセンター」に導入し、全電力エリアに対して需要予測を行っている。
同サービスでは、AIの予測結果に、電力会社から発表される電力供給データと気象データを30分ごとに取り込むことで国内の全電力エリアの「電力逼迫度」(電力使用率)を算出。アプリなどで予報結果を表示する仕組みだ。
AIを使った電力需要予測を巡って、同社は2020年6月に電気事業者に対して需給計画を支援する「電力需要予測サービス」の提供を開始している。
気象庁は6月27日に、関東甲信での梅雨明けを発表した。1951年の観測以降、史上最速だという。連日猛暑が続き、電力ニーズが高まる一方で、政府は15年以来7年ぶりに企業などに節電を要請している。同社は「今年は平年よりも暑い夏となる。適切な冷房の使用など熱中症予防は十分にしながら、『電力需給予報』を節電に役立ててほしい」としている。
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