今回の障害は、7月2日午前1時35分に発生した。メンテナンスの一環として、トラフィックのルート変更を実施している間に、音声通話はデータ通信へと変換する「VoLTE交換機」で不具合が発生した。午前1時50分には一部で音声のトラフィックが不通になっていることが判明したため、当該のトラフィックの切り戻しを行った。
しかし、同日午前2時17分には、切り戻し後のアクセス集中により、VoLTE交換機にて輻輳(ふくそう)が発生した。輻輳とは、通信が極端に集中してしまう状態を指す。通信のエラーが発生した際に、通信内容の破棄と再送信が繰り返し発生するなどの理由で、有効な通信帯域が極端に減ってしまうことだ。
その後の午前3時以降、VoLTE交換機の負荷低減対処や、輻輳から派生してトラブルが発生した加入者データベースに対する負荷低減対策、データ不一致の修正対処などを実施した。また、4日午後0時18分〜1時16分にはVoLTE交換機の切り離し、午後2時51分には無線規制を解除した。
これらの対応により、5日午後3時には音声通信のトラフィックにおける輻輳を解消した。この後KDDIはトラフィックの監視を続け、6日午後3時36分時点で約24時間音声通話のトラフィック・発着信の成功率が前週比の同等まで回復していることを確認し、全国的な障害の復旧とした。
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