ユーザーは可能な限り、複数回線の契約をしておくと、障害発生時には効果的だ。月額290円から利用できる日本通信やHISモバイル、月額550円からのIIJmioをはじめ、今やMVNOは月額数百円から利用できる。今回はKDDI自体の障害だったので残念ながらバックアップ回線になれなかったが、KDDIのオンライン専用プランpovoは、180日間以内に有料オプションを利用しなければならないという条件はあるが、0円で回線を持てる。
また、最近はコロナ禍の影響で目立たなくなってしまったが、訪日外国人向けに提供されているプリペイドSIMは、若干高額だが購入後すぐに契約してデータ通信を利用できる。
例えば、主にIoT機器向けの通信サービスを提供しているソラコムは、iPhone、iPad向けのeSIMデータ通信サービス「Soracom Mobile」で、日本を含むアジアで利用できる「アジア・パシフィック周遊プラン」や「国別プラン」を提供している。iPhone・iPad1台ですぐに利用できるシステムを確立しており、QRコードの用意やAPN、ローミング設定は必要ない。今回のような障害でも、iPhoneとWi-Fi環境があればすぐにデータ通信を利用できる。
ただ、障害発生時に利用するなら、日本国内でどの携帯電話会社のネットワークを利用するのか確認することが重要だ。ちなみにSoracom Mobileの場合、アジア・パシフィック周遊プランはソフトバンク回線、国別プランの日本プランはKDDI回線に接続される。
通信を利用して事業を展開している企業もバックアップ回線を持っておくべきだろう。IoT機器向けの通信プランには、マルチキャリアで障害時には別の回線に切り替わるものもあるそうだ。
障害も喉元過ぎれば熱さを忘れるかもしれない。普段からモバイル通信が使えなくなった場合を想定して、電子チケットはスクリーンショットを撮る、Wi-Fiを利用できる場所を複数確認しておく、障害情報を確認する方法を知っておくといったことも必要だろう。
大学卒業後、新卒で某百貨店に就職。その後、出版社に転職。男性向けモノ情報誌、携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年にフリーランスライターとして独立。モバイル業界を中心に取材し、『ITmedia Mobile』などのWeb媒体や雑誌で執筆活動を行っている。最近は『ITmedia ビジネスオンライン』にて人事・総務系ジャンルにもチャレンジしている。
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