クレカNudgeの「キャッシュレス・トゥ・アーン」って何だ? Web3で注目されるお金の稼ぎ方金融ディスラプション(1/2 ページ)

» 2022年07月12日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
ナッジの沖田貴史氏

 昨今Web業界の中でバズワード化しているWeb3。その概念の中の1つが、「◯◯-to-Earn(◯◯・トゥ・アーン)」と呼ばれるものだ。もともとは、ブロックチェーンゲームから始まったプレイ・トゥ・アーンという概念が出発点になっている。

 これまでのゲームは、プレイする人がお金を払って遊ぶものだったが、ほとんどのブロックチェーンゲームでは、ゲームをプレイするとお金を稼ぐことができる。最初にお金を払って(投資して)、キャラクターやアイテムのNFTを買い、ゲームを進めるとNFTやトークンを獲得できる仕組みだ。このNFTやトークンを、取引所などで売却するとお金が手に入ることからプレイ・トゥ・アーンと呼ばれる。

 このプレイ・トゥ・アーンの仕組みはゲーム以外にも拡張されてきている。例えば歩いたり走ったりすることでトークンがもらえる「STEPN」(ムーブ・トゥ・アーン)は国内でも人気となった。最近では、音楽を聞くとトークンがもらえる「Web3ミュージックプレイヤー」をうたう「PENTA」なんてものも登場している。

「キャッシュレス・トゥ・アーン」をうたう、クレジットカード「Nudge」

 このように「Web3時代の◯◯・トゥ・アーン」という文脈の中で、「キャッシュレス・トゥ・アーン」をうたうのが、ナッジが提供するクレジットカード「Nudge」だ。

フィンテック業界で流行りのプリペイドカードではなく、敢えて規制対応もたいへんなクレジットカードで参入。ユーザー体験を第一に考えてのことだ

 2021年の9月にスタートしたNudgeは、スポーツクラブやミュージシャンと提携し、そのクラブ限定のクレジットカードを利用できるサービスだ。Jリーグの「ブラウブリッツ秋田」やミュージシャンの加藤ミリヤ、RPGゲーム「ラグナドール - 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫 - 」、松井秀喜のNPOなど50を超える団体が参加している。

 参加するユーザーのメリットは大きく2つある。1つは、発行料有料ながらそのクラブオリジナルの図柄のカードが手に入ること。ファン向けオリジナルデザインのクレジットカードはこれまでもあったが、ナッジでは凸版印刷と組んで、少量でも発行できる仕組みを作り上げたことが強みだ。

 ファンはオリジナルデザインに惹かれて申し込むので、届いたカードは丁寧に自宅で保管されてしまい、クレジットカードとしては使われないという課題もあった。そこでNudgeでは「保存用として合計2枚送付している。1枚は傷つくことを気にせず、ガンガン使ってほしい」(代表の沖田貴史氏)という工夫も凝らした。

RPGゲーム「ラグナドール - 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫 - 」クラブ向けのプラスチックカード
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