――そのような最適化が進まないのは、店舗側に問題があるのでしょうか? それともEC側の問題なのでしょうか?
郡司氏: これは“側”の問題ではないと思っています。「店舗側」「EC側」と言っている時点でうまくいきません(笑)。
恐らく「店舗“側”/EC“側”」という言葉を使うから敵対しているということではなく、実際に店舗とECが敵対関係になってしまっている事実があるから、そういう言葉が使われているのではないかと思います。これを解決できるかどうかは経営側の手腕にかかっています。
有名な事例ですが、カメラのキタムラはネットで注文して店舗で受け取るサービスについて、売上自体は店舗に付けるものの、店舗売上に貢献したEC事業部を評価する仕組みを作りました。これにより、店舗とECに協力関係が生まれています。
ネットスーパーで成功モデルといわれている三重県のスーパーサンシは、店舗スタッフの協力体制を仕組み化しています。雨の日は店舗スタッフの手が空くのでネット注文の配達業務を手伝い、店舗が忙しい時は配達スタッフが店舗を手伝うという、全体最適の仕組みが確立されています。そのような組織体制や評価システムを整理することが経営層やマネジメント層に求められる役割ではないかと思います。
――新しい買い物体験に対するニーズが海外と比較しても高いことを踏まえると、BOPISが差別化のポイントになる可能性はありそうですね。引き続き、今後の動向に注目したいと思います。本日はありがとうございました。
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