リテール大革命

1年越しに人気急上昇、コスメ自販機「KATE iCON BOX」 花王も驚愕「予想外です」AIが顔診断(1/3 ページ)

» 2022年07月08日 07時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]

 「1年前に出したのに、ここにきての急な人気は予想外です」──と、花王の社員も驚いたのは、化粧品ブランドのKATEが開発した「KATE iCON BOX」だ。KATE iCON BOXは、AIによる顔の印象分析をもとに、一人一人に合わせた4色のアイシャドウを提案し、自動販売機のように商品が出てくる機械。2021年9月に店頭での運用を始め、メーク好きを中心に話題になっていたが、サービス開始1年を目前に人気が急拡大しているという。

BOX KATE iCON BOX(22年6月、著者撮影)

 コロナ禍での衛生意識の高まりから、化粧品のテスターは店頭から軒並み撤去され、百貨店ではビューティーアドバイザーによるタッチアップもできなくなってしまっている。KINDLERの調査によれば、コロナ禍で42.7%が化粧品の購入方法が変わり、そのうち81.6%はECサイトで購入するようになったという。メインの購買チャネルがECサイトに移り変わる中で、あくまで店頭での購入を後押しするKATE iCON BOXが生まれた理由とは? 花王の若井麻衣さん(化粧品事業部門マステージビジネスグループKATEグループ)に話を聞いた。

BOX KATE iCON BOXから出てきたアイシャドウ(22年6月、著者撮影)

なぜ店頭なのか?

 KATE iCON BOXは、それぞれに合わせた4色のアイシャドウパレットを提案。実際に使用したイメージをバーチャルで確認できる他、提案した色以外を選ぶカスタマイズも可能だ。アイシャドウパレットにつける、保護フィルムへの名入れサービスも行う。

 実際にKATE iCON BOXを使ってみると、カメラで顔を撮影するだけで顔分析が完了。ものの数分で、まるでタッチアップを行ったかのような体験を提供する。診断したからといって必ず購入する必要はなく、気軽さを打ち出している。

BOX AIによる顔診断のイメージ(同社提供)
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