アマゾンは8月5日(米国現地)、ロボット掃除機「ルンバ」の米アイロボットを買収することで同社と合意した。買収額は、全額現金で1株61ドル、総額17億ドルに上る。
アイロボット(IRBT)は米NASDAQ市場に株式公開しており、発表前日の終値49.99ドルから59.45ドルまで約20%上昇した。アイロボットのCEOには、共同創業者であるコリン・アングル氏がそのままとどまる。
「アマゾンは、人々が家庭でより多くのことを行えるようにするための思慮深いイノベーションを構築するという当社の情熱を共有している」と、アングル氏はアマゾンを評す。家庭のあらゆるデバイスをインターネットでつなげる、アマゾンの未来戦略がまた具現化していくだろう。
(出所:iRobot Webページ)
同日に、アイロボットは第2四半期となる2022年4-6月期決算を発表した。売上高は2.6億ドル(前年同期比30%減)、営業損失は6400万ドル(前年同期は300万ドルの損失)で3四半期連続の赤字となった。
(出所:筆者作成)
アマゾンは7月にサブスクでオンライン医療サービスを展開するワン・メディカル(ONEM)を34.9億ドルで買収する発表をしたばかりだ。
7月28日(米国現地)には、2022年4-6月期決算を発表し、売上高は1212億3400万ドル(前年同期比7.2%増)、営業利益は33億1700万ドル(同57.0%減)、最終損益は20億2800万ドルの赤字(前年同期は77億7800万ドルの黒字)だった。
(出所:筆者作成)
- EC事業から視線はクラウドに アマゾン決算
アマゾン・ドット・コム(AMZN)は7月28日(米国現地)に2022年4-6月決算を発表した。売上高は1212億3400万ドル(前年同期比7.2%増)、営業利益は33億1700万ドル(前年同期比57%減)、最終損益は20億2800万ドルの赤字(前年同期は77億7800万ドルの黒字)だった。好調な部門はAWS(AmazonWebService)のクラウドで増収増益。コマース部門は北米・国際とも赤字。出資先の米電気自動車(EV)メーカーのリヴィアン・オートモーティブの評価損から純損失となった。
- メタ、四半期で初の減収 メタバース立ち上がりには時間
メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)は7月27日(米国現地時間)に第2四半期となる2022年4-6月決算を発表した。売上高は288億2200万ドル(前年同期比1%減)、純利益は66億8700万ドル(同36%減)だった。広告需要が低下したことによる四半期ベースで初の減収となった。次の第3四半期(7-9月)では、売上高を260億−285億ドルのレンジで予想。
- 好調アルファベット決算、ただしYouTubeは増収率にブレーキ
アルファベット(旧グーグル)は7月26日(現地時間)に第2四半期となる2022年4-6月決算を発表した。増収減益であった。主力事業となる「広告事業」の1つであるYouTube広告収入は21年第4四半期に出した前年同期比25%増から、前回の22年第1四半期が同14%増、今回が5%増と成長にブレーキがかかった。TikTok(ティックトック)との競争激化が増し、企業の広告出稿が手控えられたことが要因と説明された。
- ツイッターとマスク氏の法廷闘争へ 買収関連費用3300万ドルも業績の重し
ツイッター(TWTR)は7月22日(米国現地)に2022年4−6月決算を発表した。収益対象になる1日当たりアクティブユーザー数(mDAU)は2億3780万人(前年同期比16.6%増)であったが、広告業界の逆風にマスク氏の買収保留が重なり減収減益となった。マスク氏と見解が異なる偽アカウントやスパムの比率はmDAUの5%未満と発表。ツイッターとマスク氏の法廷闘争が始まる。
- 中国都市封鎖が響いたテスラ決算 売上高の四半期過去最高更新は止まる
米テスラ・モーターズ(TSLA)は、7月20日(米国現地)に第2四半期となる4−6月決算を発表した。売上高・純利益とも前年同期比では増収増益となったが、20年に黒字転換して以降続いてきた前四半期比での過去最高更新は止まった。中国都市封鎖(ロックダウン)の影響でEV販売台数は3四半期ぶりに30万台を割り込んだ。
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