アルファベット(旧グーグル)は7月26日(現地時間)に、第2四半期となる2022年4-6月決算を発表した。売上高が696億8500万ドル(前年同期比13%増)、純利益が160億200万ドル(同14%減)の増収減益だった。事前の市場予想に比べて下回ったが、決算発表後の時間外取引で株価は5%近く上昇している。
アルファベットは、オンライン上の消費活動が活発だったこと、広告主の幅広い力強さが売上高に貢献と報告した。ただし主力事業となる「広告事業」の1つであるYouTube広告収入は、21年第4四半期に出した前年同期比25%増から、前回の22年第1四半期が同14%増、今回が5%増と成長にブレーキがかかった。TikTok(ティックトック)との競争激化により、企業の広告出稿が手控えられたことが要因と説明された。
(出所:グーグル Webページ)
(出所:筆者作成)
決算発表後の時間外取引や世界の各メディアは、総じてアルファベットの決算が順調な結果と受け止めたようだ。しかし、株価は決算発表当日の26日は前日比で2.3%下落し、前回の第1四半期決算日4月26日との比較では11.5%下落している。
世界の景気減速懸念とドル高はアルファベットの逆風だ。現在、主力の検索事業が成熟してきており、消費の減速と物価上昇による消費者マインド悪化が顕在化するとなれば、企業による広告需要は減少するだろう。アルファベットが次の主力事業と言及する「クラウド事業」は先行投資で赤字だが、将来の柱作りを進めている。
(出所:決算Press release)
アルファベットは15年に旧グーグル社が設立した持株会社だ。スタンフォード大学の博士課程に在籍していたラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって1998年に米国で創業された。世界最大の検索エンジン、広告、YouTubeといったインターネット関連事業のほかに、自動運転車、ライフサイエンス、光ファイバーといった事業も行っている。
- ツイッターとマスク氏の法廷闘争へ 買収関連費用3300万ドルも業績の重し
ツイッター(TWTR)は7月22日(米国現地)に2022年4−6月決算を発表した。収益対象になる1日当たりアクティブユーザー数(mDAU)は2億3780万人(前年同期比16.6%増)であったが、広告業界の逆風にマスク氏の買収保留が重なり減収減益となった。マスク氏と見解が異なる偽アカウントやスパムの比率はmDAUの5%未満と発表。ツイッターとマスク氏の法廷闘争が始まる。
- 中国都市封鎖が響いたテスラ決算 売上高の四半期過去最高更新は止まる
米テスラ・モーターズ(TSLA)は、7月20日(米国現地)に第2四半期となる4−6月決算を発表した。売上高・純利益とも前年同期比では増収増益となったが、20年に黒字転換して以降続いてきた前四半期比での過去最高更新は止まった。中国都市封鎖(ロックダウン)の影響でEV販売台数は3四半期ぶりに30万台を割り込んだ。
- ネットフリックス決算 4〜6月会員数の落ち込み、事前予想の半分にとどまる
米ネットフリックス(NFLX)は7月19日(米国現地)に2022年4―6月決算を発表した。注目された四半期ごとの新規会員数の減少は、事前会社予想だった200万人に対して、半分の97万人に留まった。また、次の7月―9月の予想は100万人増とし、半年ぶりに増加を見込む。
- グーグルの第2四半期、純利益2兆円 売上高62%増
米グーグルの親会社アルファベットは7月27日に、第2四半期(4-6月)の決算を発表した。売上高は、618億8000万ドル(約6.8兆円)となり、前年同期比62%増。純利益は2.7倍の185億2500万ドル(約2兆円)となり過去最高益となった。
- GAFA決算出そろう グーグル株価上昇、アップル下落
米国時間10月29日に、米ハイテク大手各社が7〜9月期の決算を発表した。GAFAと呼ばれるアルファベット(グーグル)、アップル、フェイスブック、アマゾンの結果はまちまちだ。時間外取引では、アルファベットの株価が9%上昇、アップルが5%下落した。
- S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた”歪み”
SNSにおける米国株ファンの発信や、初心者向けの米国株投資本の出現などによって、日本の個人投資家にとっても、米国株投資が近年一層身近な投資体験となっている。しかし、S&P495とS&P500、そしてGAFAMを比較すると、「米国株がコロナからいち早く立ち直った」という触れ込みの”ウソ部分”が分かる。
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