「あずきバーが発売当初より硬くなっているらしい」――SNS上でこんなつぶやきが話題になっている。例年夏になると「あずきバーに負ける人続出」「勝負を挑んで前歯を欠けさせる人は多いらしい」などと、その“硬さ”を取り沙汰されることが多いあずきバー。あずきバーを提供する井村屋の公式Twitterも「歯には気を付けて召し上がれ」とツイートしている。
あずきバーは本当に硬くなっているのか? 同社の開発部冷菓チーム課長の嶋田孝弘さんに聞いた。
「あずきバーが発売当初より硬くなっている、というのは本当です」(嶋田さん)
数年前にあるテレビ番組の企画で、発売当時のレシピを再現してみたところ、今のあずきバーよりも柔らかいことが判明したのだという。
もともと井村屋は1896年の創業以来、ようかんやゆであずき、ぜんざいを中心に事業を拡大。畑違いのアイス事業に参入したのは、東京オリンピック目前の1963年のことだった。しかし、当時のアイス市場は雪印や明治など乳業メーカーの独壇場、しかもフレーバーはバニラ一強であったため、後発かつ和菓子屋として認知されていた井村屋はヒット商品が出ず、苦戦を強いられていた。
そこで、井村屋にしかないアイスを作ろうと方針を転換。そうはいっても、一体どんなアイスを作れば……? 悩む社員たちに創業者が言った「うちにはあずきがあるやろ」の一言をきっかけに、「井村屋が得意とするぜんざいを固めて、アイスにできないか」との発想が生まれたのだという。
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