年間3億本超えのあずきバー、発売当初より硬いってホント? 開発担当者に聞いた来年50周年(3/4 ページ)

» 2022年08月14日 07時30分 公開
[菊地央里子ITmedia]

2021年度の販売本数は3億本超え

 何かと”硬い”ことで注目されがちなあずきバーだが、2021年度の販売本数は3億本を突破。来年には発売50周年を迎え、アイスクリーム市場で確固たる地位を築いている。

 「今でこそあずき系アイスはさまざまな種類がありますが、あずきへのこだわりには自信があります」(嶋田さん)。あずきバーに使用するあずきは、指定農家から買い付けたもののうち、あずきバーに合う大きさのみを選別。あずきの大きさをそろえることは、かじった時の口当たりや食感の良さに直結するからだ。

バー ミルク金時バー(同社提供)

 「あずきは農作物なので品質が安定しません。あずきバーの味や品質を一定に保つため、あずきの状態を見ながら、炊き時間や火力、砂糖の量、投入するタイミングに混ぜる力加減などを絶妙に調整しています。まさに熟練の職人技と言えますが、これは長年あずきを扱ってきた井村屋だからこそできることです」(嶋田さん)

バー 宇治金時バー(同社提供)

 また、10年からは欧米やアジアなど世界各国に輸出を開始。21年9月からはマレーシアであずきバーの現地生産に着手した。「マレーシアは人口の約60%イスラム教徒で、ハラール認証のレベルが高いのです。マレーシアでハラール認証を取得したことは、他のASEAN諸国に輸出する上で大きなメリットと言えます」(嶋田さん)

 マレーシア向けでは味をローカライズし、「IMURAYA AZUKI BAR」など3種類を展開。アジア圏には甘い豆を食べるという食文化があるので受け入れられやすいのも狙いだという。

バー マレーシアで現地生産する「IMURAYA AZUKI BAR」(プレスリリースより引用)

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