えっ、NFTで学修歴証明書? 千葉工業大学が全国初の発行

» 2022年08月22日 11時00分 公開
[金子正道ITmedia]

 千葉工業大学(千葉県習志野市)とPitPa社は8月18日、国内の大学として初のNFT(非代替性トークン)による学修歴証明の発行を開始したことを発表した。双方は、Web3時代を見据えたグローバル人材の育成を測るため、さまざまなツールの開発・推進を行っているが、第1弾として伊藤穣一氏がセンター長を務める千葉工業大学変革センターにて、NFTによる学修証明書が発行された。

photo (出所:千葉工業大学Webページ)

 Web3時代では、大学生の就活そのものが大きく変革を迎えると考えられている。日本の、千葉県の大学生が国境を越え、人材の国際流動性が普通のものとなっている時代も想定される。また、特定の知識・技能を生かし、プロジェクトごとに人材を雇い入れるジョブ型雇用も定着しているかもしれない。大学の国際規格に準拠したNFTによるデジタル証明書の発行もまた、数年後には当たり前の光景となっているだろう。

photo (出所:千葉工業大学Webページ)グラフィックデザインは同大学創造工学部デザイン科学科の授業を履修した安松菜奈さんによる

 同大学変革センター長の伊藤穣一氏は、デジタルガレージ(東証プライム、コード4819)の共同創業者兼取締役という顔も持つ。2011年には、日本人初のマサチューセッツ工科大学のメディアラボ所長に就任した。21年12月から変革センターの所長となり、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストが話題となっている。

 NFT学修証明書のポイントは次の通り。

  1. 記録の改ざんができないブロックチェーン技術の強みを生かし、学生のプライバシーに配慮した仕様で情報漏洩リスクが軽減される。
  2. 仮想通貨のウォレットで証明データが管理できる。さまざまなプラットフォームへ簡単に接続が可能となる。可搬性を備えたトークン。
  3. Web3時代の到来に備え、世界標準のツールにより世界に通用する国際人材の輩出を大学が支援。

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