シラフでいることがクール！ Z世代が「ノンアル・低アル」を好む理由：酔っ払うのはカッコ悪い（4/5 ページ）

[小林香織，ITmedia]

完成された“映え”ではなく、“体験”を提供

　内装やメニューなどは、メインターゲットとなるZ世代のリアルな意見を取り入れた。加藤氏いわく、「Z世代が好む体験価値を反映させた」そうだ。

　「彼らとの対話を通して分かったのが、自分たちに主導権がある楽しい体験を求めているということ。“写真映えする商品”や“撮影スポット”として、完全につくり上げられたものではなく、メニューは自分で手を加えるなどして変化を楽しみたいし、それらを撮影する場所も自分たちで選びたいと。こういった声を生かしながら、メニューや内装をつくっていきました」（加藤氏）

　人気のドリンクを尋ねると、3位が「渋谷クラフトレモネード」、2位が「渋谷クラフトコーラ」、1位が「マーブリング レイン」とのこと。

人気ナンバー1ドリンク「マーブリング レイン」。炭酸水を注ぐと綿あめが溶けて色が変化する（筆者撮影）

　いくつか人気ドリンクを飲んでみたところ、炭酸水を注ぎ、かき混ぜる過程でドリンクの色が変化する「マーブリング レイン」は、気分が高揚するような楽しさがあった。それぞれの味わいにも、こだわりが感じられた。筆者の個人的な感想ではあるが、アルコール度数0％でも味が物足りないとは思わなかった。

　バニラビーンズ、シナモン、ジンジャー、ジュニパーベリーなど7種の香辛料を使用した「渋谷クラフトコーラ」は、複雑さがありノンアルらしからぬ味。「マーブリング レイン」は、いい意味で期待を裏切っていて、見た目のイメージとは異なってスッキリ感があった。

　内装は、ドリンクが映える壁の色や顧客が撮影しやすいライティングなどに配慮されている。実際にドリンクを撮影してみると、カメラの明るさなどを調整せずとも非常にキレイに撮影できた。

アルコール度数別に飲み比べができるセット。カメラの調整やレタッチをしなくても明るく撮影できた（筆者撮影）

　訪れた人たちの多くは、メニューが到着してから10〜15分は撮影に費やすらしい。スマドリバー渋谷では、こういった一連の体験も含めて価値だと考えているそうだ。