自宅で簡単に炭酸水を作ることができる「炭酸水メーカー」が売れている。世界45カ国で炭酸水メーカーを販売するソーダストリーム(東京都港区)でマーケティング部長兼ディレクターを務める平野幸恵さんによると、ここ1〜2年の日本市場の伸長率は、他国の市場と比較してもトップクラス。特に、2020年3月頃から徐々に売り上げが増え始め、4〜5月頃には生産が追い付かないほどだったという。
急拡大の直接の要因はコロナ禍だが、日本と他国の炭酸水への意識の違いによる相乗効果もあるという。「日本人がお茶を飲むのと同じように、欧州ではもともと炭酸水を食事の際に飲む文化がありました。弊社が欧州の次に進出した米国では、糖尿病を防ぐために甘い炭酸飲料から無糖の炭酸水を常飲するようになっていました」(平野さん)。家庭で炭酸水メーカーを使うことは、海外では一般的だったという。
その一方、日本では炭酸水はあくまで割材=脇役のような存在で、欧州や米国のように「炭酸水を飲む」文化がなかった。そうした中、ウィルキンソンなどの既製品の炭酸水が台頭。「炭酸水を飲む」ことが一般化するにつれて、自宅で炭酸水を作る炭酸水メーカーの存在も徐々に知られるようになっていった。
炭酸水を日常的に飲むようになり、かつ炭酸水メーカーのことを知っている層が、コロナ禍によるおうち時間の増加を受けて購入を決意。結果的に、新しいユーザーが一気に増加したのだ。
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