コロナ禍から図らずも多くの新規ユーザーを獲得した同社。今後の課題はその新規ユーザーを、どれだけリピーターとして残せるかだという。そこで同社は、2つのことに注力しているそうだ。
1つ目は、炭酸水を日本の消費者行動に組み込めるようアプローチすることだ。「弊社では炭酸水メーカー以外にも、炭酸水で割って飲むためのオーガニックシロップを販売しています。その際に、甘酒とオーガニックシロップを組み合わせて割るなど、日本ならではの食材の組み合わせを提案しています」(平野さん)。その他にも、だしをとる時、ホットケーキや天ぷらなど揚げ物を作る時などに炭酸水を使うなど、「飲む」以外の選択肢もあることを訴求している。
また、炭酸水メーカーはその特性上ガスシリンダーの交換が不可欠であるため、日本のユーザーからは、「交換に素早く対応してもらえるのか」「商品の保証は適切か」など、長く使い続けるに当たっての不安や疑問が多く寄せられるという。
そこで同社は、岐阜県土岐市にアジア初となるガスの充てん工場「ソーダストリーム ジャパンシリンダーファクトリー」を設立し、21年6月から稼働を開始。これまではガス充填を海外工場で行ってきたが、日本国内に工場ができたことでユーザーへの迅速な対応を可能とした。加えて、商品自体の保証期間を2年から4年に延長するなど、アフターサービスも拡充している。
日本に進出した当時は、「すぐ撤退する」「物珍しいだけ」というような反応が多かったと話す平野さん。「弊社は炭酸水メーカーというモノだけでなく、”炭酸水を飲む”という文化も持ち込んだと自負しています。炭酸水を飲む時の既製品以外の選択肢として一番に思い出してもらえるよう、事業を展開していきます」(平野さん)と、日本市場への本気度がうかがえる。一家に一台というような存在になれるか。
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