「空気が読めない」と悩むリーダーへ―― 上原浩治を支えるマネジャーが語る人間関係の築き方異才を見いだす「育てるマネジメント」(1/5 ページ)

» 2022年09月29日 06時30分 公開
[仲奈々ITmedia]

連載:異才を見いだす「育てるマネジメント」

働かないおじさん、管理職にならない若者……現代は、責任を負い、才能を育てるマネジャーへのイメージが著しく下落している。そんな中、不確実性が高い芸能界やアスリートの世界でも結果を残す名物マネジャーはどのようなことを意識してマネジメントを行っているのか――。多くのエンターテイメントビジネスのプロデュースを手掛けるFIREBUGの佐藤詳悟CEOが、今気になるマネジャーを訪ね、才能を発掘する方法、育てる方法、軌道にのった後のマネジメントの在り方を議論する。

FIREBUG公式Webサイト

 リーダーとしてチームを率いる役目を背負うマネジャー。時には、思うように成果を出せず悩むメンバーと向き合ったり、そもそもモチベーションの低いメンバーを鼓舞したりする必要もある。

 自分とは価値観も常識も異なる他人と向き合い、さらに成果もあげなくてはならない――。こうしたマネジメント業務の難しさを感じている人は少なくないだろう。

 そんな中、独自のマネジメント力で功績を上げ続ける敏腕マネジャーがいる。吉本興業でナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、ロバートのマネジャーを務めた後、FIREBUGを立ち上げた佐藤詳悟さんだ。

 彼が率いるFIREBUGでは著名人の才能を拡張させるパートナーとして、多くのタレントのプロデュース戦略を手掛けるほか、企業向けにタレントを軸としたコンテンツを中心にマーケティングソリューションを提供している。

 本連載では、佐藤さんが今会いたい“敏腕マネジャー”と対談し、メンバーのモチベーションを上げたり、才能を開花させたりするヒントを探っていく。

 第一回目となる今回の対談相手は、元プロ野球選手・上原浩治さんや元水泳選手・萩原智子さんといったスポーツ界で名をはせた人々のマネジメントを引き受ける、スポーツバックス代表取締役の澤井芳信さん。TBS系でドラマ化された「オールドルーキー」のモデルになった人物でもある。

 前編では、メンバーのやる気の引き出し方や、信頼関係を築く方法を聞く。

オールドルーキー 左からスポーツバックス代表澤井芳信氏、FIREBUG代表佐藤詳悟氏

佐藤: 僕も澤井さんも不確実性が高い業界でのマネジメントを経験してます。しかし、僕はエンタテインメント領域、澤井さんはスポーツ領域と、業界が異なりますよね。

 僕は今の会社を立ち上げるまでは吉本興業にいて、約6年間芸人さんたちのマネジャーをしていました。その時は「いかにメディアに露出させるか」を重要視して活動していたのですが、スポーツマネジメントでは何を重視しているのでしょうか。

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