佐藤: ただ言われたことをサポートするだけでなく、その人の思いを付加価値にして差別化していくんですね。「なぜ」「どうして」を繰り返すと、その人の本当に“やりたいこと”が見えてくる。その本当にやりたいことが実現できるよう、僕たちマネジャーが尽力する――。これはスポーツだけでなく、エンタメや他の業界にも通じそうですね。
澤井さんのマネジメント術は納得できる一方で、そもそも信頼関係がないと本音を打ち明けてくれないんじゃないかと懸念する人も多そうです。特に、僕や澤井さんはすでにマネジメントの実績があるから、まだ関係構築ができていない人からも信頼されやすい。しかし、実績がない中でもマネジャーとして、部下をモチベートしなければいけない立場の人も多いですよね。
佐藤詳悟 FIREBUG代表取締役CEO。吉本興業にてナインティナイン、ロンドンブーツ1号2号、ロバートなどのマネジメントを歴任後、ロバート秋山の「クリエイターズファイル」COWCOWの「あたりまえ体操」など新規事業プロデュースを行いヒットコンテンツを生み出す。2016年にFIREBUGを創業。さまざまなタレントとのパイプを生かし、多くのエンターテイメントビジネスのプロデュースを手掛ける。アイナ・ジ・エンドの「ぞうきんドッグ」やいきものがかり・吉岡聖恵ソロ曲「まっさら」のオリジナルアニメーションなど澤井: 実績がない中で信頼を得るには、日々いろんな本を読んで、いろんな人と会って自分が成長すること、そしてその人を知ることが必要だと思います。
佐藤: 「その人を知る」とは何をするんですか?
澤井: 共通の話題を持つ、相手の趣味を自分も試してみる、などですかね。相手と話すとき、相手の表情やリアクションを常に観察するんです。そうすると、テンションがあがる瞬間が少しずつ見えてきます。僕の場合は、そこをフックにして相手を知っていくことが多いですね。
目の前の人にきちんと向き合うことが結果的に自分の成長にもつながるし、そして自分が成長することで目の前の人が自分を信じてくれる。地道ですが、これが僕の“信頼関係の築き方”です。
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