EU(欧州連合)内の組織「欧州議会」は10月4日(現地時間)、スマートフォンやタブレット端末などの充電ポートを「USB-C」に統一する法案が可決されたと発表した。EU加盟国で端末を販売する各社には、2024年末までに全機種のUSB-C対応が義務付けられる。ラップトップPCにも、2年後の26年春に適用される見通し。欧州議会は「EUが電子廃棄物を減らし、より持続可能な選択肢をするため消費者に選択肢を広げる」としている。
24年末までに各社が対応する必要がある対象品目は、スマートフォン(携帯電話)、タブレット、カメラの3品目。欧州議会の発表によると、3品目以外にもヘッドフォンやポータブルスピーカー、電子書籍リーダー、キーボード、マウス、イヤフォンなども対象品目となる可能性がある。法案は賛成多数で可決された。
大きな影響を受けると見られるのが、米アップルが手掛ける製品だ。「iPhone」や「iPad」シリーズの一部(いわゆる“無印iPad”)は独自規格「Lightning」(ライトニング)を採用しているためだ。
一部から“アップル潰し”ともされていたEUの法案は、21年9月に提出されていたことから、9月に発表された「iPhone 14」シリーズでは、USB-C搭載に注目が集まっていたものの、最終的に同社は採用を見送っていた。
(関連記事:米アップル発表の「iPhone 14」シリーズ、全モデルで「Lightning」搭載 USB-C採用は見送り)
欧州議会は報道発表資料で、規格統一でライトニング対応ケーブルを購入する必要がなくなるとして「消費者は年間2億5000万ユーロ節約でき、電子廃棄物を年間1万1000トン削減できる」と法案の意義を強調している。
ただ、Twitterなどでは「住所にEU加盟国を記入した時だけUSB-C版iPhoneが送られてくる未来が見える」「iPhoneの充電はMagSafeのみにしそう」といった指摘が出ている。米国のビッグテック企業グループの総称「GAFAM」の一角を担う企業が、EUの法案にどう対応するのか注目が集まりそうだ。
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