前章でもちょっと触れた「CEFR」は、実践的な英語力を評価する国際標準です。読む・聞く・話す・書くについてそれぞれ測定できる便利さがあります。また、TOEICなど、一般的に知られている英語テストは、大抵CEFRへの換算表を作ってCEFRレベルへの読み替えができるようにしているので、CEFRはまさに英語力のモノサシになっています。
CEFRレベルはpre-A1からC2までに分かれていて「ビジネスレベルの英語」はB2以上となります。
ビジネス英語レベルをイメージするうえで注意したいことは「リスニング力とリーディング力がB2以上あっても、スピーキング力は別」ということです。例えば、TOEICRL&Rのスコアが800点の場合、CEFRに換算するとB2に該当します。
だからといって、スピーキング力もB2であるわけではありません。スピーキング力はスピーキングテストでないと測れません。最近ではCEFR準拠のスピーキング力を英語基準にする企業も増え、グローバルな求人の条件にも使われています。
では、スピーキングレベルB2というのは具体的にどんなことができるのでしょうか?
B2の総合力は、「活発な議論にがんばればついていくことができ、スムーズに、ある程度場をわきまえて、相手の話にコメントを加えながら、自分の意見を言い表すことができる。また関心がある分野ならば、根拠や事例に基づいて詳細な説明ができる」と定義されています。
さらにビジネスの場面別で言うと、次のようなことを行う基礎力があると言えます。
ミーティング: 意見を表明・主張し、代替案を評価し、仮説を設定したり、それらに反応することができる。比較対比や前の発言との関連づけ、誤解や不合意に対応ができる。
プレゼンテーション: 明確でロジカルな構成で一貫性のある話をすることができる。メリット・デメリットや賛否の根拠を示すことができる。詳細情報を明確に信頼感をもって伝えられる。
オンラインコミュニケーション(口頭): せかされたり難しい表現で言われなければ、積極的にまとまった話ができる。多くの参加者と話の流れを踏まえた意見交換ができる。
これを見てやっぱりこのくらいはできないと仕事にならないと実感される方も多いと思います。
以上から、B2が、英語による業務を何とか任せられるレベル、つまりビジネスレベルの英語力であることがお分かりかと思います。B2があると、日本の企業の国際業務や海外駐在のポストや、外資系企業の求人など、ぐっと需要が増えます。一方、スピーキング力B2の英語力をもつ日本人はまだ少ないので、需給バランスから年収が1000万円をこえる人が増えてくるわけです。
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