ポルシェの事例に戻ろう。ポルシェの公募価格は82.50ユーロだったが、足元の価格は86.40ユーロと、非常に穏やかで絶妙な価格設定となっているのではないだろうか。なぜかといえば、ポルシェのように長年の実績があり、収益や財務の見通しが過去の延長線上で測ることができるためである。
これは非上場株式の時価総額決定フレームワークと非常に相性が良いのだ。つまり、発行体にとっては安値で株を売り払ってしまうこともないし、逆に投資家にとっても下手に高い価格で株を発行体に”つかまされる”こともない点で安心なのだ。
そのように考えると、ポルシェが10兆円というサイズまで十分に成長し、かつEVシフトという数十年に一度レベルの大きな業界変革が起こる今のタイミングで株式を公開し、必要な資金を適切なバリュエーションで調達できたということは“今さら”どころかベスト中のベストタイミングであったといって差し支えないだろう。
1級FP技能士・FP技能士センター正会員。中央大学卒業後、フィンテックベンチャーにて証券会社の設立や事業会社向けサービス構築を手がけたのち、2022年4月に広告枠のマーケットプレイスを展開するカンバンクラウド株式会社を設立。CFOとしてビジネスモデル構築や財務等を手がける。Twitterはこちら
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