B2Bオンラインイベントが「受注につながりにくい」ワケ 7割が「ながら見」調査から紐とく(1/2 ページ)

» 2022年10月12日 10時42分 公開
[堀井塚高ITmedia]

 Webサイトの分析、Webマーケティングコンサルティングなどのサービスを提供するWACUL(東京都千代田区)が運営するWACULテクノロジー&マーケティングラボは、仕事目的でオンラインイベントに参加したことのある一般社員から会社役員まで162人を対象にオンラインイベントの視聴実態を調査した。

 同調査から、オンラインイベントを終始集中して視聴している人は全体の31.5%にすぎず、残りの約7割は他の作業を並行しながら視聴していることが分かった。

オンラインイベントの視聴態度について(出所:以下、プレスリリースより)

 調査によれば、視聴態度とイベントの満足度には相関があり、満足度が高いイベントでは「最初から最後まで画面を見ながら集中して聞く」と回答した人の割合が高かったという。また満足度が高いと商品やサービスに対しても「すぐに導入したいと思った」「機会があれば導入したいと思った」といったポジティブな反応を示す人の割合が高い。

 では、オンラインイベントの満足度はどのようなときに高まっているのだろうか。調査では、イベントを視聴した理由として99.4%が「業務に役立つノウハウや事例を知るため」と回答しており、2位の「商品サービスの導入を検討するため」(40.7%)を大きく上回る。

オンラインイベントの参加理由

 結果、満足度が高いオンラインイベントのコンテンツとして「業務に役立つ独自のノウハウを紹介する」(75.3%)が最も票を集めた。満足した理由として「求めていた情報を得られた」「ここでしか知れない貴重な情報だった」などが挙がった。

満足度が高いオンラインイベントのコンテンツ

 一方で、満足度が最も低いコンテンツは「商品サービスを紹介する」(56.8%)だった。業務に役立つノウハウを求めて参加したのに、商品やサービスの紹介ばかりなのは、視聴者の満足度を下げる典型といえそうだ。

満足度が低いオンラインイベントのコンテンツ

 WACULの垣内勇威社長は「満足度の高いオンラインイベントは、商品・サービス導入につながりやすいことが証明された。逆に言えば、有名な登壇者を寄せ集めただけの客寄せイベントは売り上げにつながらない」とコメント。

 「オンラインイベントでは、視聴者の期待値を下回れば“ながら見”されてしまう。イベント主催者側に求められるのは、とにかくコンテンツの磨き込みだ。視聴者の役に立ち、動画として面白い作品に仕上げなければならない」(垣内氏)

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