職場で働く女性はいろいろなストレス、働きづらさを抱えている。「家庭との両立」「セクハラ」「女性ならではの人間関係」「お局」などなど――挙げればきりがない。本連載では、産業カウンセラーとして活躍する川村佳子氏が働く女の“ツライ”の原因や解消法を解説する。
本連載は、メンタルヘルスの向上・維持に向けたサポートを行う産業カウンセラーの川村佳子氏が、ビジネスパーソンから寄せられた相談に基づき、職場で働く女性ならではの“お悩み”“イライラ”の要因、解消法を解説するシリーズです。第1回目は、「いつも偉そうと言われてしまう40代女性」の心情、原因について掘り下げます。まずは、相談室でのお局女子とのやりとりをご紹介します。
「私、みんなに偉そうって言われて嫌われていますから」
相談室に来るお局女子は、半分笑いながら、でもほんの少し悲しそうにそう言います。産業カウンセラーをしていると、このように「いつも偉そうだと言われ、嫌われてしまう」という相談が多くあります。そして、そのような相談は男女含めてありますが、ここ数年特に女性から多いように感じています。その表情の根底にある気持ちは、一体どんなものでしょうか。これまで多くの女性たちのお話を伺ってきましたが、そこには共通して「外側はカチッとしているが、中身が空っぽ」という特徴がありました。
「中身が空っぽ」とはどういうことなのかと言うと、彼女たちは自分に全く満足しておらず、自分自身を何もない「空虚な存在」に感じているということでした。少し強い言葉になりますが、彼女たちは自分自身について“何も分かっていない”のです。自分の気持ちや感じ方、自分の意見、自分が本当に大事だと思うことが分からない。その空虚感を埋めるために彼女たちは、さまざまな“よろい”を纏い、外側をカチッと武装していくのです。
“よろい”というのは、学歴、資格、年収、容姿など、世間からよしとされるものであることが多いです。そういったよろいを纏いながら、「私はこんなにすごいのだから、皆さん私に従ってくださいね」というような姿勢で接してきます。そして、「私はこの組織の中心であるべき存在なのですよ」というメッセージを強引に伝えてきたり、巧妙なやり口でアピールしてきたりします。これが、「いつも偉そうな女性」にある共通の特徴です。
では、なぜこのような「いつも偉そうな女性」になってしまったのか? 相談者が特定されないように詳細は変えつつも、一般的なケースを紹介します。
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