もちろん冷蔵庫内の収納性も欠かすことはできない。「ダイニングやリビングに置くなら、寝室に置くなら、在宅勤務をするデスクの近くに置くなら……。さまざまな使用シーンに対応する『最大公約数』ともいうべき容量を追求しました」(小川さん)。幾度となく繰り返された議論と模型作りの結果、幅559×高さ750×奥行き420ミリメートル、容量73リットルとすることが決定した。
デザインも家電らしさを排除し、インテリアにこだわっている部屋でも浮かないよう水平垂直を基調としたシンプルなフォルムに統一した。また、カラーはライフスタイルストアのACTUS(東京都新宿区)とのコラボレーションし、家具となじみやすい中間色と呼ばれるグレーカラーのバリエーションを10色用意した。その他、ドアの表面をマットな質感に仕上げることで、色が引き立つよう仕上げたという。
家具のように置くためには、冷蔵庫特有のある問題を解決しなければならなかった。「冷蔵庫は放熱のために、壁から背中を離しておく必要があります。背中を壁にぴったりとつけられるのは、大型の冷蔵庫では一般的ですが、小型では放熱の面積が確保できないなど実現が難しい面がありました」(小川さん)
そこで、Chiiil専用の放熱機構を一から開発。冷蔵庫の下に配置することで、壁に背面をぴったりとつけて設置可能にした。
サイズやデザインだけでなく、冷蔵機能にも一工夫した。Chiiilは温度帯を、「冷蔵(強め:約2℃、標準:約4℃、弱め:約6℃)」と「セラー(強め:約8℃、標準:約12℃、弱め:約16℃)」から選択可能としている。「スイーツや軽食以外にも、ふるさと納税で送られてきたフルーツやこだわりのワインやコーヒー豆など、中に入れるものの選択肢が広がることを予想し、それぞれにあったベストな状態で冷やしてもらいたいと考えました」(小川さん)
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