スターバックス、ドトール、タリーズ 仲間外れのブランドは?仕事に役立つ企業トリビア

» 2022年10月27日 08時00分 公開
[ITmedia]

連載:仕事に役立つ企業トリビア

「知られざる本社所在地」「手掛けている意外なビジネス」「ロゴマークに込めた真意」「名物社長の経歴」――ビジネスを楽しくする企業トリビアを紹介していく。

 カフェと言えば、よく「スターバックスコーヒー」「ドトールコーヒーショップ」「タリーズコーヒー」が並びになる印象だが、それぞれどこの国発祥のカフェチェーンかご存じだろうか。実は1ブランドだけ、日本発祥のブランドがあるのだ。

 最初に除外できるのは米国・シアトル発のスターバックスだろう。日本1号店は1996年に東京・銀座に誕生した「スターバックス コーヒー 銀座松屋通り店」で、2021年で上陸25周年を迎えた。22年10月現在、国内の店舗数は1727店舗に上る。

 上陸当時の日本のコーヒー文化は「ドリップコーヒー」が主流だった。その中で、同社は、抽出したてのエスプレッソを使用した「スターバックス ラテ」「カフェ モカ」「キャラメル マキアート」などの新たなビバレッジを提案し、日本人の支持を得ていった。

スターバックスは米国・シアトル発祥(画像:ゲッティイメージズより)

 さて、日本で誕生したのはドトールかタリーズか、どちらだろうか?

 正解は、ドトールだ。コーヒー事業を夢見てブラジルに渡った鳥羽博道氏が帰国し、1962年に立ち上げた。2022年9月末現在の店舗数は1065店舗に上る。

 ドトール・日レスホールディングスとしては、単価の高い「エクセルシオールカフェ」や、郊外を中心に「星乃珈琲店」を展開しており、グループ全体での店舗数は1272店舗に上る。日本国内のカフェチェーンで1000店舗を超えるのはスターバックスとドトールの2チェーンのみだ。

日本発祥のカフェチェーン、ドトール ※写真はエキア北千住/東武新越谷駅店(画像:プレスリリースより)

 タリーズコーヒーは、スターバックス同様に米国・シアトルで1992年に生まれた。日本に上陸したのは97年、現在は全国に700店舗を展開する。伊藤園グループの傘下にあることから日本発祥のイメージがあるかもしれないが、誕生は米国・シアトルだ。

タリーズも米国・シアトル発祥 ※写真はKU白楽駅店(画像:プレスリリースより)

 町を歩けば、いたるところでカフェを目にするようになったが、日本で初めてカフェが誕生したのは1888年(明治21年)にさかのぼる。当時はカフェではなく、喫茶店という呼び名だったわけだが、東京下谷黒門町(現在の東京・上野)に開業した「可否茶館」と言われている。明治時代は洋食文化が日本でも広がり始めたタイミングだったこともあり、浅草や大阪などにも喫茶店ができ始めた。

 1911年、銀座に「カフェ・プランタン」「カフェーパウリスタ」「カフェライオン」の3店舗がオープンしたことを機にカフェが社交場として盛り上がりを見せるようになったという。

 日本フードサービス協会の調査によると、2019年の喫茶店の市場規模は1兆1780億円と、10年前と比較して約17%増となっている。同じ期間で約10%増となった外食産業と比較しても成長度合いが大きいことが分かる。身近にあるカフェなど、調べてみると意外なルーツを持っているブランドに出合えるかもしれない。

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